AppleシリコンのM1チップを搭載したMacは、一部の外部ディスプレイと相性問題を起こす可能性がある。
相性問題とは、人の相性問題と同じように、機器同士がなんらかの原因で問題を起こすことである。
MacRumorsは、M1 Macに接続したディスプレイが、正常に起動しないと訴えるMacユーザーの苦情を取り上げた。
問題の症状は、Macがスリープ状態に入ると、再びMacを操作しようとしてもディスプレイが起動しなくなるというものである。
この症状は、HDMIやThunderboltケーブル、DisplayPortアダプタなど、接続の方法に関わらず出現するようで、症状が現れたディスプレイには「信号がありません」という表示が表れる。なお、このディスプレイを別のデバイスに接続して使用すると問題は発生しないため、M1 Macに問題があるようだ。
「信号がありません」という表示は、外部ディスプレイを接続したMacをご利用の人であれば、見たことのある人も多いのではないだろうか。Macのシステムを終了すると、ディスプレイに送られる信号がなくなるため、ディスプレイ側は信号がないことを表示した後にスリープ状態に入る。この表示は、信号が送られていないときにディスプレイを操作しても表示されるもので、ごく一般的な内容である。
今回、問題として取り上げられたMacユーザーは、LGのディスプレイを接続しているが、私の周りではフィリップスのディスプレイを接続しているユーザーが問題を抱えている。
しかし、この問題は、同じメーカーを利用する別のユーザーには出ないときもあり、非常に厄介な問題である。
先にも触れたが、機械は希に人間のような相性の問題を抱えることがあり、もしかすると今回のケースは相性問題を起こしている可能性、あるいはI2Cコントローラが備わっていないことが原因の可能性がある。I2Cに関しては、リンク先で砕いて説明しているのでご覧いただければと思う。
スリープ状態から復帰しないディスプレイ問題を克服するには、Macに接続されたディスプレイのケーブルを抜き差しする。根本的な対策にはならないため、AppleがmacOSのアップデートに改修を盛り込むまでは、スリープ機能の解除をお奨めしたい。
なお、この問題は、前回紹介したディスプレイの表示不良や接続ポートの認識不良などの問題とは別である。