Appleが2021年モデルとして発表したiPad Proは、昨年モデルのiPad Proよりも2倍高速であることが証明された。
日本時間の2021年4月21日、Appleは発表イベントにて、これまでのデバイス性能の底上げを図るかのように、発表イベントに用意した新製品に必要以上の性能を与えて登場させた。その中でもひときわ目を引く存在だったデバイスはiPad Pro。
イベントで露わとなった性能は、妥当な線として予測していた我々の想定を超えるもので、まさにiPadの皮を被ったMacという言葉が妥当なデバイスとして登場したのである。
その性能を引き出す処理装置は、2020年モデルとして登場のMacに搭載のM1チップ。Appleは、Macに搭載の処理装置を惜しげもなくiPadに詰め込んだのである。
Appleは、高性能タブレットを「旧型のiPad Proと比較して、最大50%高速である」とセールスしていた。この発言が立証されたのは、ベンチマークテストのGeekbench。
複数のテスト結果から導き出された平均スコアは、シングルコアが1,717、マルチコアスコアが7,284。
A12Zチップを搭載の2020年モデルiPad Pro 12.9インチ(第4世代) が叩きだしているベンチマークのテスト結果は、シングルコアスコアが1,121、マルチコアスコアスコアは4,656。
ベンチテストの結果が、Appleの発言を立証した形となる。
Macの処理装置を搭載することで、性能が格段に引き上げられたことは重々承知していたが、元々高性能なチップを搭載していたiPad Proとの比較で、これほどまでに性能差が出たことには驚きである。
Intel製のCPUを搭載したMacBook Proのオーダーオプションとして、Appleは高性能なIntel Core i9を用意しているが、このIntel製をフルパワーで動かしたとしても打ち勝つことのできないM1チップの性能は、モバイル向けの低スペック処理装置である。
これから世に送り出される予定の高性能チップやミドルクラスのチップの性能には、一体どれほどの性能が与えられて登場するのだろうか。
Appleは、次世代のデバイスとして、仮想空間や拡張現実を可能にするウエアラブルデバイスの開発を進めている。将来的にMacの存在は、こうしたウエアラブルデバイスに座を引き渡す形となる可能性もある。
この小さなデバイスに搭載の処理装置が、今回のベンチ結果で露わとなったiPad Proの高い性能に天と地ほどの差を付けて超越するのかと想像すると、数年先のAppleデバイスは楽しそうだ。
Via: MacRumors