デザインを更新する時期Macは、iPhone 12シリーズやiPad Proのようにフラットエッジのデザインを採用するといわれており、この次世代のMacには、チタン素材が採用される可能性がある。
Appleは、チタンという難しい素材に対して、1つの特許を取得し、実現に向けて新たな一歩を踏み出した。
2021年2月23日付けで取得された特許は、「金属表面の酸化コーティング」である。
米国特許商標庁が公開した特許の概要欄には、下記の内容が記載されている。
外観の薄膜干渉着色を低減または除去する酸化物コーティングが記載されている。いくつかの実施形態では、酸化物コーティングが指紋を低減するように構成されている。酸化物コーティングは、入射光の光路差を増大させるのに十分な厚さを有し、それにより指紋によるあらゆる推論着色を非可視レベルまで減少させる。いくつかの実施形態では、酸化物コーティングは、酸化物コーティング界面からの光の反射方向を変化させる不均一な厚さを有し、それにより酸化物コーティング自体または指紋によって引き起こされるあらゆる被膜干渉着色を低減または排除するように構成されている。
読み進めていくと、チタンの特性として、引っ掻き傷に強く、剛性が高いため、曲げに耐える耐久性があり、家電製品としての製造に最適であるとの記載が見つかる。
この特許が示すものは、チタンおよびチタン合金の表面に付着する指紋などの汚れを避けるために、コーティングを施す内容となっている。
所得した特許を砕いて伝えると、チタンそのものには油脂などの汚れが付きやすいため、コーティングを行う。
そのコーティングは、光を増幅させてチタンの色合いをはっきりと見せるため、指紋が見えづらくなる効果があったり、またはそのコーティング自体が汚れを防止するために、指紋などの汚れが付きにくくなったりする。
不均一に成形されたチタンの表面をコーティングが平らにすることで、手触りは幾分滑らかだが、見た目にはチタンに鋭くメリハリのある模様が入っているように見える可能性がある。
その模様が縦線のみで表現されているのか、ザラザラとした印象を与えるものなのかについては不明である。
チタン自体は軽量な上、剛性を出すにも十分な素材となる。
ただし、デメリットとして、熱しにくく冷めにくい特徴を持っており、これがMacという熱源にどう影響するのか楽しみである。
また、チタンは整形が難しい素材である。湾曲したデザインにチタンを使用するよりもフラットなデザインを用いる方が製造の難しさは幾分減るため、フラットエッジデザインにチタン素材の組み合わせは可能性として高いのではないだろうか。
ただし、問題点を挙げるとするならば、アフターの行方である。軽量な素材をより軽量に保ち、熱の問題を克服するには、チタン自体の厚みを薄く作る必要がある。
厚みを減らして、外装や骨格の軽量化を図れば、これまでネジ止めで耐えていた部分に接着剤が採用されたり、または剛性感を保つために接着剤を用いたりと、これまでの分解方法が通用しなくなる可能性も考えられる。
MacにもiPhone 12のような修理サービスが開始されるのだろうか。