Apple純正のケーブルは、将来的に皮膜の強度が増し、断線にも強くなる可能性がある。
2021年2月4日、Appleは「柔軟性に優れたケーブル」に関する特許を取得した。
米国特許商標庁が公開した特許の概要欄には以下の内容が記載されている。
ケーブルは、均一な厚さを有する外側スリーブによって囲まれたケーブルコアを含み、第1の剛性(例えば、可撓性ケーブルに対応する) を有する第1の長手方向セクションと、第2の剛性(例えば、剛性ケーブルに対応する) を有する第2の長手方向セクション、さらに第1の長手方向セクションと第2の長手方向セクションとの間に第3の長手方向セクションを有する。第2の剛性は、第1の剛性よりも大きく、第3の長手方向セクションの剛性が第1の剛性と第2の剛性との間で変化する。前記述の第2の縦方向セクションは、前記ケーブルに歪みの緩和を提供することができる。
この特許は、ケーブルの端子付近に位置するケーブルに関するものである。
非常に砕いた形で説明すると、端子手前のケーブル部分が高剛性になる。端子付近に使用するケーブルの剛性を上げて、曲げ抵抗を部分的に上げることで、接合部の歪みを緩和する。つまり、皮膜の破れや断線が起こりにくくなる。曲げなければ皮膜が割れることもなく、断線の可能性を低く抑えられるという原理である。
ケーブル皮膜の材質に関して、これまでは一本のケーブルにすべて同様の材質を使用していたが、端子接続部手前のケーブルに関しては、その割合を変更することでケーブルの柔軟性に変化をつけるというもの。
Lightningケーブルなど、Appleの純正ケーブルを自動車に持ち込んでいる人であればお分かりいただけると思うが、ケーブルの皮膜は熱により劣化を起こして割れやすくなる。とくに負荷が多く掛かる端子手前の皮膜は脆く、熱にやられたケーブルは、曲げると裂けやすくなっている。
この特許は、Lightningケーブルに関するものではなく、Appleのケーブルに関する特許のため、Macの充電ケーブルに使用される場合もあれば、iPhoneやiPad用のケーブルに使用されることも考えられる。
将来的に、iPhoneはLightningケーブルも別売りになると噂されているため、こうした新たな取り組みにより、製品の寿命が延びることは非常にありがたい。ただし、特許により販売価格が上昇するということだけは、避けていただきたいものである。