Appleが2021年モデルとして発売予定のiPhone 13シリーズは、多くの国で高速な5Gネットワークに対応したモデルとして登場する可能性がある。
2020年モデルとして登場したiPhone 12シリーズは、世界の電波状況を考慮して、国ごとに異なる5G電波のiPhoneが出荷されている。
具体的にいうと、5Gにはミリ波とサブ6という2つの電波がある。ミリ波は高速だが電波の干渉に弱く飛距離が短いという特性を持ち、サブ6はミリ波ほど高速な通信は行えないが飛距離が長いという特性を持ち合わせている。
日本で販売されているiPhone 12シリーズは、サブ6を利用した5Gに対応しており、iPhone 13シリーズは、ミリ波に対応したものになる可能性が出てきた。
Patently Appleは、2021年モデルとしてリリースする予定のiPhone 13シリーズに、iPhone 12シリーズよりも多くの端末にミリ波アンテナを搭載するため、新しいサプライヤーを見つけて大量注文を行ったと伝えている。
iPhone 12シリーズに搭載されるミリ波アンテナは、日本の村田製作所が納品しているそうだ。
もしかすると、大規模な受注が村田製作所のキャパシティに収まらず、第2のサプライヤーとして別の会社と追加契約を結んだ可能性がある。
第2のサプライヤーとして選ばれたのは、台湾のQiqiである。
Qiqiは、ノートパソコンに内蔵するアンテナ分野で躍進を遂げており、世界シェアは35%に達しているメーカーである。
アンテナが収まるノートパソコンは、大半がWistron社のOEMノートパソコンのようだ。Wistron社は、台湾の製造専門の会社で、元を辿ればAcerのパソコン製造部門。日本の家電量販店でも販売されているのを見かけるだろう。
情報筋によると、QiqiはAppleとの協議の上、iPhone 13シリーズのミリ波アンテナ受託先として契約が結ばれ、村田製作所と受注を分け合ったという。
現時点でQiqiへのオーダーは、iPhone 13シリーズに搭載するアンテナのみとなっているようだが、今後の展開次第では、Macに搭載するアンテナを請け負う可能性もある。
情報のリークは今のところ見つからないが、QiqiがAppleのサプライヤーメンバーに加わったことが確実な情報であるならば、将来を見据えた計画に一つの道筋が加わったことになる。それは、AppleはMacBook ProにQiqiが得意とするパソコン用アンテナを内蔵し、5Gネットワークに対応したMacBook Proを発売するという可能性である。