Appleは、消費電力と熱出力に関するサポートドキュメントを更新し、2020年モデルのMac miniについて情報を公開した。
2020年モデルとして登場した次世代型Macは、これまで搭載してきたIntel製の処理装置をAppleシリコンに変更し、凄まじいパワーを手に入れた。
その性能は、AppleがMacBook Proのオプションとしてい用意していた格上のIntel i9よりも高速な処理能力を実現し、グラフィックスのパフォーマンスもパワフルなGPUと同等の性能を手に入れている。
そこで、自ずと気になるものが消費電力である。これほどまでに高性能な処理装置を手に入れられれば、それに比例する形で消費電力と熱量が増していくはずである。
しかし、Appleシリコンは、これまでの処理装置と比べて、消費電力が非常に低く、熱出力値も同様に低いことが証明された。
Appleがサポートドキュメントで公開した公式の情報によると、2020年モデルのMac miniは、電力消費量の最大値が39W、待機中の電力が6.8W。
前モデルに当たる2018年モデルは、最大消費電力が122Wで、待機中に必要とする電力が19.9Wも必要だった。その差は実に3倍である。
Appleは、この消費電力と熱量の低さを活かして、MacBook Airからは冷却ファンの存在を撤去した。熱効率を元に行われた思い切った改修である。
しかし、ファンレスへの進化は、今後のMacの進化として、Appleが抱く構想の入り口でしかないのかもしれない。
処理装置の進化により、すべての面で格段に性能が向上したMacには、もはや大きなバッテリーシステムは必要とせず、これまでに使用されてきたマザーボード(メインの基盤) のサイズを小型化できる可能性もある。
もし、バッテリーシステムやマザーボードの小型化を図ることができれば、これまで使用されてきたボディ内には余分な空洞ができるため、将来のMacは従来型に比べて小型化、あるいはスリムな方向へ進む可能性が高い。
Mac miniにしてもしかり、Apple TVサイズのminiが登場してもおかしくない状況である。将来我々の前にお目見えするMacに大きく期待したい。