Appleが今秋にリリースを予定しているiPhone 12は、iPhoneやiPadの中で群を抜いて高性能なグラフィックス性能を有している可能性がある。
iPhone 12に搭載されるチップは、先日リリースされたiPad Air 4に搭載されるA14 Bionicと同じものである。
そのiPad Air 4は、先日Geekbenchのベンチマークテストで処理性能を世界に知らしめた。見えてきたA14の性能は、シングルコアで1,583、マルチコアで4,198を記録しており、相当な高性能チップであることがうかがい知ることができた。余談ではあるが、このチップはA14の中でも小型化と省電力を基本コンセプトにかがげている方である。
iPhone 11 Proのシングルスコアを見たときに、平均して1,327という成績を残していることから、A14が前のモデルよりも明らかに高性能であることがお分かりいただけるはずである。
ただ、残念なことにiPad Pro 2020が搭載している格上のA12Zチップには一歩及ばず、マルチコアのスコアが負けてしまった。
しかし、今回公開されているメタルスコアは、最新である優れた部分を見せつける結果が出ている。
メタルスコアとは、ようはグラフィックスの性能に関係している数値で、このスコアが高ければ高いほど高性能なグラフィックス処理に期待ができるものとなる。
測定値を公開すると、A14 Bionicが叩きだしたグラフィックスの数値は、12571ポイントである。このポイント数は、すべてのARMチップが持つメタルスコアを上回るもので、紛れもなく高性能であることが示されている。
ちなみに、iPad Pro 2020のA12Z Bionicが持つメタルスコアは11665ポイントであり、マルチコアの性能で勝つことのできなかった相手にもグラフィックスの性能では勝っている。
- A14 Bionic (iPad Air 4) : 12571 ポイント
- A12Z Bionic (2020 iPad Pro) : 11665 ポイント
- A12X Bionic (2018 iPad Pro) : 10860 ポイント
- A13 Bionic (iPhone 11) : 7308 ポイント
- A12 Bionic (iPad Air 3) : 5242 ポイント
現行のiPhone 11は、メタルスコアが7308ポイント。iPhone 11が搭載するA13チップとA14チップを比較すると、グラフィックスの性能はA14が72%高速であり、iPhone 12や今後リリースが予定されているA14を搭載するデバイスには、相当期待ができそうな結果となっている。
様々な視点から考えると、どうやら、iPhone 12やiPad Air 4に搭載されるA14チップは、グラフィックスの性能を格段に上げたもののようだ。アップルの開発者会議WWDC2020で発表されたA14チップは、今思い出してみると内容自体がグラフィックスの性能を推していたように感じられる。
今回公開されたテスト結果は、iPad Air 4のA14チップでテストされたものである。iPhone 12にも同様のA14チップが搭載される見込みであるが、すべての仕様が同じではないことを考慮すると、この数値がiPhone 12でも出る保証はない。もしかすると、バッテリー容量との兼ね合いで、若干性能をデチューンして登場するかもしれない。
もし差が出たとしても、その範囲は誤差の範囲、おおよそ数百から数千ポイントの違いになると考えられる。
しかし、搭載されるメモリにおいて、iPhone 12シリーズのハイスペックモデル(Pro) は、iPad Air 4よりも2GB多いとされており、iPad Proと同様に6GBのメモリが搭載されているといわれている。もし、グラフィックスの性能を絞ったとしても、大容量のメモリから受けられる恩恵は大きく、トータル性能ではiPad Air 4よりも上を行く可能性がある。
Source: 9to5Mac