悩まされ続けた酷い肩凝りが、自らは何もせずに治ってしまった。マッサージに行くわけでもなく、整体に行ったわけでもなく、普段着ている服を一つ買い換えただけで治まったその性能効果に、思わず唖然としてしまった。
肩凝りと胴の強ばり、腰の辛さに下半身の怠さと、座り仕事の定番ともいえる悩みを抱えていた私ではあるが、その悩みはルームウェアを買い換えただけで解消されてしまったのには驚きを隠せない。
医学的根拠を証明しない文には、お断りを入れておかなければならないためお決まりの文言を挿入させていただく。ここで書かれている事は、効能効果を証明する物ではなく、あくまで個人の使用感である。
さて…、肩と首の凝りが兎に角酷く、それらが酷くなるにつれて胴の強ばりで胸が苦しくなる現象に悩まされていた。運動不足も原因の一つではあるのだが、仕事から帰るや否や書斎に閉じこもることも多く、生活を改めなければ治まることはないものと諦めていた。
しかし、その悩まされ続けた凝りの症状に終止符を打つことができた。それは不思議なことに、マッサージ師や整体師の施術ではなく、ユニクロの存在なのである。おそらく、「こいつ何言ってるんだ。」と思う方も多いのではないだろうか。私自身が、ほぼ完治した事に驚いているのだから無理もないだろう。
説明するまでもないが、ユニクロとは自社で衣類品の製造から販売までをも行う日本の大企業である。オンリーワンの商品を取り扱う そのスタイルは日本全国に浸透し、今や海外での成功も収めている。
そんなユニクロが販売する商品は、独自の安定したブランド品質から多くの顧客に親しまれており、購入者の不満を次年度モデルの改善案として取り入れることなどからリーズナブルなブランドながらも安定した満足度を得ているようだ。
ウルトラストレッチスウェットが最高にアメイジングだ
ユニークな商品は機能的な物も多く、目を離すことができない。そのなかでも私を驚かせたのは、何の変哲もないスウェットの進化である。頭に思い描く 見た目も着心地もモサッと重いルームウェアが、想像を超越する進化を遂げていたのかと思うと、時代に取り残された感が半端ない。
軽い
まず、届いたスウェットを持ち上げてみると、その軽さに驚かされた。おおよそ7から8年前に購入したユニクロのスウェットにも そろそろ寿命が訪れ、新しくスウェットを購入する運びとなったのだが、スウェットその物や生地の進化が目覚ましく驚嘆してしまった。今まで着ていたスウェットも同社の製品ではあるが、旧製品を比較対象として持ち出すのはいかがなものかと迷うほどだ。
袖などのリブの厚みを薄く作っているため、触れた感じは生地自体が全体的に薄くなった様に錯覚するのだが、実際には全体の生地の厚みはさほど変わりはなく、実質的な重さだけが軽くなっている印象だ。着古したスウェットを重量の比較対象とするのは公平性に欠けるため 重量を正確に計ることは控えたが、持ち比べた瞬間に軽さを感じられるのが印象的である。実際に測定を行うと微々たる差なのかもしれないが、毎日着る物として考えれば、その差が身体へ及ぼす影響は計り知れず大きく積み重なるのかもしれない。
伸びる綿が身体に優しい
ユニクロは、公式サイトのイメージ写真で、生地が伸びることをアピールしている。しかし、実際に届いた商品を着こなすと、これはご謙遜でもなさっているのではないだろうかと思うほど消極的なイメージ画像だと感じる。親の敵とばかりに力を入れて引き伸ばせば、パンスト顔負けの伸縮性を持ち合わせている性質が覗える。
伸縮素材を履き慣れない私のような無骨な男にとって、ここまで伸びる生地は未経験の領域であり、数日間は戸惑いを隠しきれなかった。どんな座り方でも足部の突っ張りを感じることもなければ、お尻に締め付けられているような圧迫を感じることもない。体に合わせて恐ろしく伸びる。
一番驚くべき点は、この生地が“綿” でできていることだろう。綿がこれほど伸びる存在になる理由は裏地を見ると分かるのだが、一本一本の糸の編み込み伸び縮みする工夫が施されているようだ。
裏地の表面に近い部分にあるウロコ状の編み込みのおかげで皮膚と生地の間に空気の層が生まれるのも見所である。空気の層ができる事で、生地の厚み以上に暖かさを保つ事ができるほか、汗ばんだ生地ができるだけ皮膚に張り付かない工夫がなされているように覗える。これほどまでに考えられた生地をスウェットに仕立ててしまうのかと思うと、凡人の私にはちょっとどうかしちゃってる企業なんじゃないかと関心が高まるばかりである。
寝返りで起きることが減った
お陰様で寝返りの際に目覚めることが半減した。寝相が想像できる内容は書きたくなかったのだが、私は寝返りを打つ際に掛け布団に服が引っ張られる鬱陶しさが嫌で目が覚める。寝返りを打つ際は、常に一瞬目を覚まして軽く起き上がり、掛け布団を腕で持ち上げてから体をグルっと移動させるのだが、その一瞬目が覚める瞬間が半減したのだ。何事もなく朝までグッスリと安眠なさる方には、とても奇妙に思える公道なのかもしれないが、私の寝相は こうなのである。
しかし、このウルトラストレッチを着始めてからというもの、本当に目の覚める回数が減った。生地表面の抵抗が少ないため、ある程度布団の抵抗を減らせる上に、引っかかりがあろうとも伸縮素材が体への負担を和らげているのだろう。いつの間にか寝返りを打っている。私の睡眠は絶好調のようである。
個体差がある
残念ながら有能なウルトラストレッチスウェットにも個体差がある。2セット購入したのだが、1本のズボンの左足首だけ閉まりが緩く、どうしても床を掃除してしまう。伸びる素材のちょうどいい具合を商品化するのは難しい試行錯誤の連続だったのだろうと思うと、その新たな素材を検品する作業も幾度となく新しいアイデアを試みたのだろうと感じてはいる。しかし、不快である。今後新たに登場するであろう新たな検品アイデアと安定した品質に期待したいものだ。