@radexpによる画像
Appleが設計したARMベースの処理装置が確実に早いことが立証された。Mac mini ARMのテストで出たその数値は、エミュレートされた環境で行ったにも関わらず、ネイティブ環境で実測したSurface Pro X (2995 MHz, 8コア) よりも確実に早い。
開発者専用機として、AppleはDeveloper Transition Kitの発送が初まり、Appleシリコン(ARMベースの処理装置) の全貌が明らかになりつつある。Apple A12Zチップを搭載したこのマシンは、シングルコアで811、マルチコアで2781という平均結果をたたき出した。エミュレートされた環境でである。
この開発者専用マシンは、Appleによってパフォーマンステストを強く禁止されている。おそらく、このMac miniを手にした開発者は、寝不足で意識を失い、無意識に手だけがマウスなどを動かし、偶然にもベンチテストを行ってしまったのだろう。毎日忙しく働く開発者に頭が上がらない。
大変重要なことをお伝えするが、開発者の元へ送られたMac miniがたたき出した数値は、十分なパフォーマンスを発揮できていない。
Doing a little math on the A12Z benchmarks vs the DTK, Rosetta is running at about 70% of native performance — on an iPad chip that’s basically two years old, not designed for macOS. I imagine Geekbench surfaces both static and JIT translation, so static-only apps may be faster
— Steve Troughton-Smith (@stroughtonsmith)
使用されたエミュレーターであるRosetta2は、いうまでもなくAppleシリコンに対応しておらず、Intelプロセッサ向けのx86(32ビット) として読み込みを行っている。そのためなのか、8コアであるはずのAppleシリコンを4コアとして認識し、残りの4コアはスリープ状態。何をお伝えしたいのかお分かりいただけるだろうか。
GeekBenchでベンチマークされた数値
無駄な負荷がかかっていない最高のパフォーマンス数値に対して、負荷のかかった状態で、その上8コアのうち、4コアしか動作していない数値。つまり、Mac miniはテストで半分のパフォーマンスしか出せていない。もっというならば、ネイティブ環境での実測値と比べると、エミュレーターでは70%ほどの性能しか発揮できていないのである。
For comparison… pic.twitter.com/hTlaZ0mzp0
— Ian Betteridge 🇪🇺 (@ianbetteridge)
Surfaceは、Intel Pentium II/III 2995 MHz (8コア)を搭載したマシンである。シングルコアで764、マルチコアで2983をたたき出しているのだが、Appleシリコン(ARMベース) を搭載したMac miniは、シングルコアでSurfaceを上回り、マルチスコアでおおよそ同じ結果をたたき出した。4コアとして認識された状態でだ。
今後市販化されるMacには、A12Zチップよりも遙かに高性能なものが搭載される予定である。それ専用として部品のバランスを取ったMacに、最適化されたmacOS Big Surとの組み合わせは、どれほどのパフォーマンスをたたき出すのか。もう未知である。