AppleがiPhone 12シリーズのアクセサリとして用意した「MagSafe対応iPhone 12 | iPhone 12 Proシリコーンケース」を試した。
これまでにも純正のシリコーンケースを使用していて印象が良かったため、今回も気持ちよく使用できるものと思っていたが、残念ながらiPhone 12シリーズ用は少々難ありという感じである。
iPhoneへ装着した際のフィッティング感や使用感に関しては、さすが純正といわんばかりの仕上がりで、他メーカーを寄せつけない圧倒的な出来映えに満足度が高いケースである。
ケース表面には、さらりとしたコーティングが施されており、程良くキレのいいグリップの良さが演出されている。もちろん内側には、これまでと同様に起毛素材が採用され、ケースとiPhoneの間に埃の侵入を許さない構造で、iPhoneを傷から護る機能もバッチリだ。
▼3ヶ月間MagSafe充電器を利用したが、ほかのユーザーが報告しているようなMagSafe跡は付いていない。
iPhone 12シリーズから採用のMagSafe充電にも対応し、特に申し分なくケースを使用していたが、ふとしたときに気付く点が、これまでのシリコーンケースとは異なり、残念な気持ちがじわりとこみ上げてきている。
その残念な部分は2つで、1つは製造ミスか品質の低下を疑うもの。もう1つの残念ポイントは、フラットエッジデザインを取り入れたことによる問題である。
フラットエッジは好きだ。角の丸いiPhoneよりもしっかりと握りしめられる印象が強く、これまでのiPhoneよりも大柄となったボディサイズでも安心感が増している。
しかし、シリコーンケースを装着した際は、ケースの擦れ具合が非常に気になってしまう。
もうなにかをお察しの人もおいでかと思うが、ポケットなどへの出し入れで擦れる部分が増し、マットな表面コーティングが、これまで使用してきた丸みを帯びたiPhone Xよりも早い時期に大きくテカリ始めたのである。
▼角のテカリは、写真で見るとそれほどではないが、実物を見るとL字上に広がる光沢が目立つ。
もうこればかりは致し方のないことだと諦めるとして、そのテカリの発生が装着後1ヶ月ほどで大きく姿を見せ始めたのには驚いた。iPhone Xのシリコーンケースでは、半年間ほど使用した頃に、角の部分に小さな円形のテカリを確認した程度で、それまではなにも擦れた印象はなかった。
これほどまでに異なるテカリの早さは、価格を考えても残念でならない。せめて半年、それが無理であれば3ヶ月は綺麗な状態を保ちたかったというのが私の本音である。
そして、もうひとつの問題点は、品質の劣化か初期不良によるシリコーン部の浮きである。
Apple純正のシリコーンケースは、落下や机など堅い部分に当たった際に、シリコーン部分が避けて衝撃を吸収する。印象としては、破裂したように剥が飛ぶような具合だ。
このハガレが、落下や強い衝撃を受けたこともないiPhoneケースに生じており、価格に見合う品質なのかと少々疑いの目で見てしまっている。
ハガレを発見したのは、ケース装着後5日前後。届いたばかりのiPhoneを乱暴に扱うわけもなく、ほぼ室内、厳密にいえばiPhoneを家から一歩も外に出しておらず、穏やかな扱いをしていたため、この裂けが生じた原因がまったく以て分からない。
避けている部分は、Lightningケーブルの挿入口となる開口部。MagSafe充電器を利用しているため、Lightningケーブルを使用したことはなく、開口部に端子がぶつかり無理な力が加わったというわけでもない。
初期不良として申告するにしても、1週間弱も使用してから気がついたため、こちらに過失がないとはいいきれない。ただ、1週間の間、iPhoneが家から出ていないことは確かなので、過失を疑うにしても可能性は非常に薄い。残念でならないポイントである。
税別で5,500円のケースは、私を含めて一般のユーザーにしてみればそこそこ高級である。光沢の出方が、丸みのあるiPhoneよりも早い段階で大きく出ることを承知できるのであれば、一度試すことをお奨めしたいケースである。非常に良くできたケースである。iPhoneがモデルチェンジをしても根本の構造を変更しない理由は、使い勝手の良さに現れていると感じている。
ただし、ケース到着後は、iPhoneに装着する前に必ず検品を行うことをお奨めしたい。もしかすると、指で触るとペロリと持ち上がるシリコーンの存在に気がつくかもしれない。