【レビュー】iPhoneの純正シリコンケース、長い目で見ると安いかも / 3年使って分かったこと

Appleの純正アクセサリーの耐久性はどうなのだろう。そういう気持ちで3年間の長期テストを行ったので、結果を報告したい。

ただ、1つ注意していただきたいのは、私のみが3年間使用したものではなく、使い回されて私の元へ返ってきたものとなる。ある意味、テストとしては正解なのかもしれない。

Appleは、デバイスそのもののほかに、それにジャストフィットする純正アクセサリーの販売も行っている。Appleの公式サイトからiPhoneのケースを確認すると、シリコーンケースやクリアケース、それにレザーケースの販売もされている。

シンプルな見た目は、いうまでもなくAppleのデバイスと相性が良く、細部を見ていくとデバイスが一番使いやすい状態にデザインされていることが分かる。

そのラインナップの中から今回テスト材料に選んだものは、カラーが選べるシリコーンケースである。

一般的な社外ケースよりも高い価格設定がなされている製品は、買ってダメだったというオチでは少々萎えてしまうものだ。長期テストで見えてくる粗はあるのだろうか。一体どの程度の衝撃まで耐えうるのだろうか。そんな疑問を持って始めたテストは、通常の使用を前提とした長期テストで、テストだからと無理に力を加えることもしていない。ごく一般的な使用で出てきた本質を紹介しようと思う。ご購入の参考になれば幸いである。

ちなみに、一般的にはシリコンケースという通称が通っているため、見出しにもシリコンケースと記載したが、正確にはシリコーンケースである。少し予断を挟むが、シリコンはシリコーンを作るための原材料のことで、形作られたものは本来シリコーンと呼ぶのが正しい。

シリコンケースは、マットな質感で手にフィットする使い心地が人気のものとなる。以前、途中経過を報告したが、その時にも述べたように、このケースの表面加工は価格に見合うものとなっており、シリコン特有のベタつき感は感じられない。むしろサラサラとした触り心地が特徴の1つで、滑ることもなく食いつきすぎることもない肌触りが魅力である。

ただ、このサラりとした質感は、使い込むにつれて薄れていき、マットに仕上げられた表面は、大きな摩擦が生じる部分から光沢感が現れてくる。

硬質な樹脂をフレームの基礎において、その周りをシリコーンでコーティングした純正シリコンケースは、一般的なシリコンケースとは異なり頑丈さが見え隠れする。それほど分厚くもないケースにも関わらず骨太の印象で、少々の落下ではびくともしない仕様である。

iPhoneが触れる部分は短い起毛状のスウェードで、iPhoneを優しく包み込み、外部からのほこりを遮断する役目も担っているようだ。

このケースは、3年間で水没を1度、落下を5回から10回経験しているが、寿命の全うと判断を下すまで、擦れた光沢以外は無傷を貫いた。

表面のひび割れ程度は起きてもらわないと書くことが少ないじゃないかと思い、細心の注意を払いながら全体を確認してみたが、シリコンの変色すらも起きていなかった。

最終的には、軽い落下による一撃でシリコン部分が剥離したことで、人生を全うしたと判断した。この剥離部分が上の画像である。これまで特に割れることもなかったケースは、3年という節目の時期を向かえた途端に脆さを現したのである。

iPhoneの購入は、一般的には2年から3年の割賦払いとする人が多いように思う。もちろん、それ以上の長期支払いを組む人も一般的だが、もし3年以内の割賦でiPhoneを購入するのであれば、純正ケースの耐久性は折り紙付きである。

デザインさえ問題なければ、純正ケースとしての品の良さも出るため、「迷ったらとりあえず純正ケース」という買い方でも問題なさそうである。

なお、先に変色はなかったとお伝えしているが、ほかの色では色褪せや焼けが生じるケースがあった。リネンブルーやサーフブルーは黒っぽく変化していたので、カラーの選択は将来的な色を想像した上で決める方が無難である。