Appleは、Macに搭載されるSafariをWebMに対応させる可能性がある。
The 8-Bitは、macOSのベータ版がWebMに対応していることを発見した。対応したベータ版は、次期macOS Big Sur 11.3 の2番目に当たるベータ2。
WebMとは、動画の保存形式で、約10年前にGoogleが公開したファイルフォーマットである。
ファイルフォーマットとして広く知られている形式にはMP4という形式があり、WebMはMP4の代替になり得るものとして、Googleが普及を促進している。
MP4とWebMの違いは、これまでのMP4よりも高圧縮が可能な点で、ファイルサイズをより小さくすることが可能になる。
このことにより得られるメリットは、通信環境の圧迫を抑えたり、小さいファイルサイズであるが故にマシンへの負担が少なく、低スペックのマシンでも高画質動画の再生が可能になったりと、様々なメリットが得られる。
WebMに対応した動画サイトとして、多くの人に馴染み深い動画サイトは、Googleが母体のYouTube。
YouTubeへアップロードされた動画は、YouTube側が再エンコード処理を施して保存形式の統一化を図っている。この再エンコードに用いられる保存形式は、これまでMP4形式が主流だった。ユーザーがアップロードした動画は、MP4(H.264)やWebM(vp9) などの保存形式に関わらず、すべて再エンコードの処理がなされてMP4へ変換されていた。
おそらく、現在もMP4形式が主流の保存形式として採用されているはずである。しかし、最近ではYouTubeが一度MP4にエンコードを済ませた動画をWebM形式に再エンコードしているといわれており、今後の動画鑑賞にはWebM形式の対応が必須条件に加わる可能性がある。
なお、今回発見されたWebMへの対応は、MacのSafariが対応するというものであって、現時点でもMacを使用してWebM形式の動画を見ることは可能である。ただし、WebM形式の動画を再生するには、Google ChromeやFirefoxといったSafari以外のブラウザを使用する。
対応有無を確認するには、WebMプロジェクトが公開している「Can Your Browser Play WebM Video?」にアクセスする。WebMに対応していれば、「canPlayType supported? Yes」と「WebM video supported? probably」という2つの表記が表れる。もし非対応であれば、「canPlayType supported? No」と「WebM video supported? N/A」という表記である。
注意点として、iPhoneやiPad用のGoogle Chromeは、WebM形式の動画に対応していない。これは、iPhoneなどのデバイスでGoogle Chromeを機能させるには、Safariを経由する必要があるためで、iPhoneのSafari自体がWebMに対応しなければ、iPhone版などのサードパーティー製ブラウザはWebMに対応できない。