Appleが新しいデバイスへ搭載を始めたA14チップは、最新の5nmという従来の7nmよりも精密なもで、さらなる高性能化が図られた処理装置である。しかし、前回公開したA14のベンチマークテストの結果に、少し疑問を感じている人が出てきている。
これは、iPad Air 4のA14ベンチマークテストの結果に疑問を感じた人がいたことから書き始めたものである。まだベンチマークのページを閲覧していない場合には、先にこちらをご確認いただくことをお奨めする。
その疑問とは、マルチコアの採点部分で、最新のA14チップは6コアなのに対して、A12チップは8コアと、最新のものはコア数が少なく、それは退化しているのではないかと感じた人がいた。もし同じ疑問を感じている人がいれば、この説明でご納得いただけるはずである。
A14チップは、先にお伝えしたiPad Air 4のベンチマークテストの結果で、A12Zチップよりも悪い成績を収めている。単純に考えると間違ってはいないが、よく考えると間違っているのである。
Aシリーズのプロセッサは、A14チップもA12チップも、2つのタイプが用意されている。1つ目は低消費電力と小型化に特化したモデルで、2つ目はパフォーマンス性能を重視したモデルである。
もうここでご納得いただけた人が出てきている思うが、iPad Proに搭載されるAシリーズは、パフォーマンスを重視したチップであり、iPad AirやiPhoneに搭載されるモデルは低電力と小型化を徹底したモデルである。
新型のiPad Air 4をテストした結果の比較では、本来ならば、旧型となるiPad Air 3を比較対象として登場させるのがスジである。しかし、凄いチップを搭載したiPad Air 4の登場で、それよりも格上のデバイスが搭載する旧型のチップはA14とどのような違いが出るのか。そういう関心の高まりから、あえてiPad Pro 2020を引っ張り出して比較対象としたのである。
低消費電力と小型化に特化したA14チップは6コアで間違いないが、それの派生として登場したパフォーマンス重視のA14Xチップは8コアである。これが結論である。