数百年の謎、猫がマタタビを好む理由が、岩手大 宮崎雅雄教授(分子生体機能学) の研究により解明された。
猫を飼ったことのある人であれば、マタタビの作用をご存じだろう。飼い猫にマタタビを差し出すと、そのものを顔や頭にこすりつけたり、床に寝転がったりして至福の時を満喫する。
この作用は長年謎とされていたが、ScienceAdvancesはひとつの研究論文を公開し、科学的防御であると報じた。
どうやら猫を含むネコ科の動物は、マタタビをリラックスのために使用しているのではなく、蚊を撃退するために使用しているようだ。
研究結果で明らかとなったのは、猫がマタタビに含まれるシストランス型ネペタラクトールに反応しているということ。
強力な刺激剤であるネペタラクトールは、猫に興奮と喜びを与える成分であると共に、蚊の一種であるヤブ蚊(ヒトスジシマカ) を寄せつけにくい特徴を持っているという。
1704年、日本では江戸を徳川綱吉が収めていたころ、日本の学者が記録に残した猫の行動は、約300年の時を経て解決した。
注意点として、この研究で判明したものは、「蚊を寄せつけにくい」という点である。大切な愛猫を蚊から護るためには、マタタビだけでは不十分であることを忘れてはいけない。