Appleは、2020年モデルのiPhone 12シリーズに、新たなワイヤレス充電機能を採用した。
従来のワイヤレス充電機能を進化させて登場したMagSafe充電機能は、ワイヤレス充電部の周りに磁石を配置することで、ワイヤレス充電をより確実なものに変えた。
このMagSafe充電機能を利用するには、MagSafe充電器と、MagSafeに対応するデバイスが必要で、MagSafe対応デバイスにはMagSafe対応のケースが用意されている。
ここで問題が出てくるのである。現状で、Amazonに並ぶほとんどのiPhoneケースは、MagSafeに対応していない。
Appleは、純正アクセサリーのラインナップに、多くのMagSafe対応ケースを用意している。しかし、高額な純正ケースに価値を見出せなかったり、デザインや材質が気に入らなかったりする場合は、Amazonなどに並ぶ豊富な他社製ケースを購入するだろう。
では、MagSafe対応のデバイスに、MagSafe非対応のケースを装着した場合、MagSafe充電機能を使用することはできないのだろうか。
実験である。iPhone 12 Pro本体へMagSafe非対応のケースを装着し、MagSafe充電器がどのように反応するのか、どういったデメリットが発生するのかを確かめた。
今回実験に用いたiPhoneケースは、Amazonで販売されているiPhone 12 Pro用のMagSafe非対応TPUケースである。
▼実験に使用したiPhone 12 Pro用TPUケース
結果は、下記写真の通りである。MagSafe充電器を使用した充電、それ自体に問題が出ることはなかった。
問題は、MagSafe非対応のケースには磁性体が内蔵されていないため、MagSafe充電器がiPhoneに張り付こうとする磁力は非常に弱い。
iPhoneを持ち上げてもMagSafe充電器がiPhoneから離れることはなかったが、充電器のケーブルに指が触れると脱落するほどの磁力しかなく、MagSafe充電器自体を持ち上げると、iPhoneはすぐに離れてしまうほどの吸着力しかなかった。
今回実験で使用したTPUケースの厚みは1.5mmである。1.5mmの厚みのケースで、これほど磁力が弱まるのであれば、厚みのあるケースはほぼ使用することが不可能かもしれない。