AppleのiPhoneを購入するにあたり、万が一の備えとして有料の保証を追加することが一般的である。しかし、保証には、Appleが用意しているものと、ドコモという通信キャリアが用意しているものがあり、結局どちらを選択すべきなのかと悩む人が多い。
身近なところでも必ず聞かれるこの問題に対して、私が最終的な決め手や、保証を提供している2社の考え方を公開しようと思う。
ここでは、保証の内容について、あまり深く掘り下げることはしない。内容については、ドコモのサイトやAppleのサイトへのリンクをページ下部に用意したので、そちらをご覧いただければと思う。
まず、2つの保証の最終判断に悩んでいる人へ、私が最終的な決め手としてアドバイスしている点は、保証の内容ではなく、今後の将来計画である。
その理由は、保証をサービスとして受けたときの違いにある。保証は、万が一の備えという考え方に変わりはないが、保証を提供する2社が意図している部分は若干異なり、iPhoneを所有するユーザーが見え吸えた先にあるものが異なるのである。
どういうことかというと、Appleの保証は、iPhoneを長く愛用する上で起こりうるトラブルに対して、対価に見合う最高のサービスを提供し、ドコモの保証は、自社の契約を長く愛用してもらうための対策の一部として、主契約のオプションに保証を用意している。
つまり、ドコモの保証は、その保証自体が次の機種変更に向けても考えられており、のちに訪れる金銭的な不安を最小限に抑えるための工夫がなされている。
たとえば、一番大きな部分としては、お返しプログラムの存在。3年の割賦(分割) 契約を結んだiPhoneを2年で買い換えたいと感じた際に、1年分の残債を無くす契約である。
どうしても買い換えたい新型iPhoneが登場したり、現状のiPhoneに不満を覚えていたりするユーザーにとって、お返しプログラムは抜け目ない戦略である。
このプログラムを利用して、iPhoneを返却する場合、ドコモでiPhoneの査定が入るのだが、そこで破損や水没などが見受けられた際には、別途負担金が発生してしまうのである。
この負担額は、ドコモの保証に入っている場合2,000円(税別) で済むが、ドコモの保証に入っていない場合は20,000円(税別) の負担が発生してしまう。つまり、ドコモの保証は、単純にいうと、掛け捨て型の積立金の役割も果たしているのだ。
保証内容に大した差がなく、尚且つドコモ回線を次回の機種変時にも利用するのであれば、金銭的な面を優先して、ドコモの保証を考えてみてはいかがだろう。
ただし、iPhoneを一括で購入する豊かな余力がある場合には、Appleの保証をお奨めしたい。やはり、対価に見合うサービスは、咄嗟のトラブルでも不満の軽減に繋がるように感じる。
余談ではあるが、ドコモは、自社の保証とは別に、AppleCare+の取り扱いも行っている。しかし、盗難などの被害にも対応する「AppleCare+盗難・紛失プラン」を用意していない。このプランを利用するには、Appleの公式サイトから契約を結ぶ必要がある。