現在世界中で巻き起こっている世界的なチップ不足は、今後も長期化することが懸念されており、iPhoneなどAppleのデバイスにも少なからず影響を及ぼす可能性がある。
米国最大の半導体生産工場によると、チップの不足は2022年半ばまで続くと考えているようで、自動車の生産や家電メーカーに与える影響が長期的に続くことを示唆している。
この試算を語った人物は、業界で世界第3位のGlobal Foundries社 CEOであるTom Caulfield氏。CNBCのインタビューで語られた内容によると、Global Foundries社の製造能力は既に完全に埋まり、余力は一切残されていない状況が続いている。
同社は、生産能力の拡大計画に14億ドルの投資を発表。同分野で世界最大、世界シェア54%を誇るTSMCも1,000億ドルの投資を行う計画を発表している。
TSMCは、Appleのデバイスに搭載される処理装置の生産を担うファウンドリである。
今後3年間で1,000億ドルを投じることで、製造能力の拡大を図る計画を立ててはいるが、チップの不足は、なにもメインの処理装置だけの話ではなく予断を許さない。チップには様々な用途があり、ディスプレイを制御するためのチップ、バッテリーのコントロールを担うチップ、電源アダプタに内蔵のチップ。そのほかにもメモリなどもチップに含まれ、数多くの部分にチップが内蔵されている。
制御を必要とする電子機器には欠かすことのできないチップ。メインのチップが安定供給されたとしても、補助を担うチップに影響が残る可能性も否めない。
Appleに詳しいアナリストは、現在Appleは深刻な状況に陥っておらず、問題があるとすればAndroidに大きな影響が出ると予測している。この理由は、QualcommがAndroidに使用するチップの製造に苦戦していることが上げられる。
交渉の上手いAppleは、Qualcommなどとの契約に関しても先手を打っている可能性はあるが、精密機器には多くのチップが使用されており、どこかで足を引っ張る原因が出てくる可能性もある。
多くの部品の集合体であるiPhoneやMac、iPadといった存在は、使用されている部品点数も多い。たった数ミリの部品1つが、製造納期に遅延して揃わなければ、製品自体の発売に影響を及ぼすため、今後リリースが予定されている新製品へ影響があちらこちらで囁かれている。