Appleが着目した電気自動車「Canooのシャシーフレームが独特、ハンドルは屋外設置も可?」


Appleは、Apple Carの開発に向けて、EVのベンチャー企業Canooと協議をしていたという。

The Vergeが取材した人物によると、AppleとCanooは投資としての出資を目的とするものから買収までに至るまで、金銭が絡む様々な内容を話し合っていたが、最終的には両者合意には至らなかったそうだ。

Appleが着目した電気自動車「Canooのシャシーフレームが独特、ハンドルは屋外設置も可?」

Canooの電気自動車に使用されるプラットフォームには、「スケートボード」という名前がつけられており、Appleはこのプラットフォームに興味を持った可能性がある。

特異な形状を持つCanooのスケートボードは、4輪を金属フレームで繋ぎ、その間にバッテリーやシステムといったすべての機器を内蔵する構造である。

上部の室内空間を自由に構築することが可能なスケートボードは、古典的な自動車用フレームを応用して開発されているのかもしれない。

Appleが着目した電気自動車「Canooのシャシーフレームが独特、ハンドルは屋外設置も可?」

自動車に詳しい人であれば、ラダーフレームやモノコックボディというフレーム構造を耳にしたことがあるだろう。

モノコックボディとは、ボディ全体で強度を増すような作りがなされているもので、例えていうと段ボール箱である。段ボール箱は6面をつなぎ合わせることで骨格としての強度を保っている。それと同じものがモノコックボディ。

それに対して、ラダーフレームとは、4輪を繋ぐフレームに強度を持たせて、上に搭載される室内空間には大した強度を有していないものとなる。

現代の車両はモノコックボディが主流となっているが、オフロードを走行する車両やトラックには現在でもラダーフレームが採用されている。

ラダーフレームは、重量物を運搬するための自動車に最適とされており、EVのように重量物となるバッテリーシステムを搭載する車両には妥当な選択肢である。

強度のあるフレームに重量物のバッテリーを挟み込み、それを一つのフレームとして使用する構造。

変形すると燃える特性を持つバッテリーを堅いフレーム内に収めることで、衝突時の安全性も確保しているのだろう。

また、Canooのステアリングは、一般的なステアリング機構とは異なり、タイヤとステアリングがほぼ独立した状態で機能していることも注目したい。

一般的な自動車は、ステアリングを操舵することで、その力がシャフト(棒) を伝わり、タイヤを左右に切ることができる。しかし、Canooのそれはシャフトで接続されないステア・バイ・ワイヤシステムが採用されている。

昨今の自動車に搭載されるステアリングは、従来の油圧式(機械式) から電動式(モーター, アクチュエーター) に切り替わり、タイヤ側、あるいはステアリング側にアクチュエーターを備えたものが一般的となってきている。

しかし、ステア・バイ・ワイヤシステムの場合は、ステアリング側に反力アクチュエーターを備えて操舵感を演出し、タイヤ側のステアリングギアボックスには操舵用のアクチュエーターを備えている。このアクチュエーター同士は、システムにより同じような動きを再現するように指示されている。

つまり、CanooのEVは、ステアリングの位置を運転席に置く必要もなければ、そもそも自動車の車内に運転席を置く必要すらないのである。

注意点として、もしかするとCanooのステアリングは、未来の乗り物としてアクチュエーターを備えていない可能性がある。

様々な応用が利くCanooのEVは、Appleでなくとも魅力的な自動車の未来に輝きを感じるものだろう。

現在、Canooは、Hennessy Capital Acquisition Corp. IVとの交渉成立させ、6億ドルを調達したという。そして、Canooと共同でEVの開発を行う会社は、皮肉にもヒュンダイである。

ヒュンダイ自動車は、現在Appleの電気自動車を共同開発するために協議を進めているといわれており、2021年3月には最終決定が下されると伝えられている。

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