Appleは、次期型のiPad Proを第1四半期(4月から6月) までに発表する可能性がある。
iPadの最上位モデルに位置するiPad Proは、性能を飛躍的に向上させたiPad Air 4を上回る性能として上場する見込みである。
2020年モデルとして登場したiPad Air 4の性能は、処理装置であるプロセッサのみをみても2020年モデルのiPad Proを上回る勢いで、2021年モデルのiPad Proからすれば、そのプレッシャーは非常に大きいものである。
仲間内の高性能化により、危機感を与えられているiPad Proは、iPad Air 4を上回る性能として、処理装置とディスプレイの見直しを図る可能性が高い。
搭載される処理装置は、iPad Air 4やiPhone 12シリーズにも搭載されたA14シリーズで、先行してリリースされた2つのデバイスよりも、更に高性能化を図ったA14Xチップを搭載することが見込まれている。
新しく登場するA14Xチップは、8コアを採用した高性能チップである。iPhoneやiPad AirのA14チップが6コアなのに対して、8コアを採用したチップは、いうまでもなく高速な処理を約束するものである。
低電力に振っているA14チップに対して、A14Xチップは処理速度を優先した処理装置としてiPadの制御を担うため、一度に取り扱いが可能な処理に関しては、iPad Air 4のそれよりも はるかに難しい処理にも対応できるものとなる。
ディスプレイに関しては、従来のLEDディスプレイからMini LEDディスプレイに切り替える方向で調整が整えられているようだ。
製品として製造を担うメーカーは、韓国を拠点とするLG。Korea IT Newsは、11月1日時点の情報として、LGがAppleへMini LEDを搭載した液晶ディスプレイを供給する準備を行っていると伝えている。
従来のLEDに比べて半分の大きさとなるMini LEDは、ディスプレイの明るさを従来のものよりも明るく光らせることができるという。
配置的に難しかった部分への内蔵も可能となるMini LEDは、部分的に明るさをコントロールすることも容易になり、全体的なコントラストの向上や黒色の表現性が向上するようである。
ディスプレイの製造はLGとなるが、部品単位の製造をみていくと、Epistar(台湾) がLEDの供給を行い、TSMT(台湾) がLEDの取り付け(表面実装) を担当し、ディスプレイ製品としての最終工程をLGが担うという構図で調整されているだ。
ちなみに、TSMTはTSMCではないのかとお察しいただいた人もいるかもしれない。その理由は、iPhone 12にも採用された5nmプロセッサの存在。気になる人は、下のリンクからどうぞ。
TSMTは表面実装技術に長けた生産ソリューションのプロバイダで、TSMCは半導体を専門に製造するファウンダリ(ファブ, 工場) である。
省電力に長けたMini LEDディスプレイは、今後登場するApple製品に順次採用されていく見込みで、それに足並みを合わせる形で、LGと契約を結ぶLenovoやLGのディスプレイにも採用されていくことが見込まれている。