Appleが将来リリースするAirPodsは、周囲の状況を把握して、危険な状況や近くにある緊急事態、周囲の会話などに反応してオーディオのボリュームを自動で下げる可能性がある。
2020年8月11日付でAppleが取得した特許は、コンテキスト・オーディオ・システムに関するもので、様々なセンサーを活用することでユーザーの置かれた状況を把握するシステムとなる。
米国特許商標庁が公開した特許の概要欄には以下の内容が記載されている。
位置データに応じて、オーディオ再生を調整するように構成されたコンテキストオーディオシステム。コンテキスト・オーディオ・システムは、ウェアラブル・オーディオ・デバイスと、オプションで検知デバイスが含まれる。一部の実施形態では、検知デバイスとウェアラブル・オーディオ・デバイスは同じである。通常、コンテキスト・オーディオ・システムは、様々なデータを使用してユーザーの位置や活動状況を把握し、システムのウェアラブル・オーディオ・デバイスのオーディオ出力を調整する。
現状で販売されているAirPodsとAirPods Proは、周囲の状況を把握しやすい構造やシステムを取り入れている。
AirPodsは、以前お話ししたとおり、周りに広がる環境音にプラスした音楽が楽しめるものである。AirPods Proは密閉性の高い構造であり、周囲の状況を把握しづらいものだが、ノイズキャンセリングのオフや周囲の音を取り込むモードも備えている。
しかし、どちらのAirPodsにしても音楽のボリュームやジャンル次第では周囲の状況を把握しづらいものであり、AirPods Proに採用されている外部の音を取り入れるモードに関しては、ユーザーがオンにしない限り効果を発揮するものではない。そこで必要性が出てくるものが、今回Appleが取得した特許となる。
Appleは、片方のイヤホンを耳に装着しているときや、両方の耳に装着しているとき、それにいずれの状況でもないときなどを検出する現状の自動検出機能と、この特許技術を融合したものを取り入れる可能性がある。
また、将来的にはARやVRテクノロジーの進化と共に、現在Appleが開発中とされるAppleグラスにも この技術が適応されるかもしれない。