AppleがiPhone 12シリーズと同時にリリースしたMagSafe充電器は、MagSafe充電に対応するiPhoneで使用することができるワイヤレス充電器である。
その充電能力は15Wと、従来のQi規格対応のiPhoneと比べて非常にパワフルな性能を持っている。
MagSafeは、ワイヤレス充電をベースとして、その周りに磁石を内蔵したものとなっている。そのため、充電自体は、従来のQi規格に対応したワイヤレス充電と物理的に同じような構造をしており、Qi規格のワイヤレスを内蔵したiPhone 11以前のモデルにも充電を行うことが可能となっている。
しかし、MagSafe非対応のデバイスへの給電能力は極端に抑えられ、充電が非常に遅いという報告が寄せられている。
では、MagSafe充電器をMagSafe非対応のiPhoneで使用した場合、どれほど充電が遅いのだろうか。
今回、YouTubeのMax Techは、MagSafeの充電能力テストを行い、Qi充電に対応しているiPhoneの充電能力についてワット数を公開した。
動画で公開された充電テストは、以前MacRumorsがテストを行ったように、MagSafe充電器にMagSafe非対応のiPhoneを接続して充電を行う内容となっている。ちなみに、MacRumorsがテストした結果では、充電時間を観察したものとなっており、その際に出された結果は30分で13%しか充電しなかったという報告をしている。
テストに持ち出されたデバイスは、MagSafeには対応せず、Qiワイヤレス充電に対応したiPhone 11 Proである。iPhone 11 ProをMagSafe充電器に接続して充電を行ったところ、そのワット数はわずか0.96W。
iPhone 11 ProのQiワイヤレス充電機能は、急速充電時に7.5Wのパワーを受け止められるキャパがあり、MagSafeに接続した際の充電が、いかに非効率であるかを確認することができる。
Max Techが実施した実験では、iPhone SEもテストデバイスとして登場したが、結果はiPhone 11 Proと同様で、芳しくないものとなっている。
MagSafeを正しく利用するには、MagSafe充電器と、Apple純正20W電源アダプタが必要であり、そこから電力が供給されるデバイスはMagSafeに対応しているデバイスでなければならない。
ただ、正しい使用方法で充電を行ったとしても満足のゆく結果が得られなかったというiPhoneユーザーがいるのも事実である。
Appleコミュニティに問題を挙げたRopen氏によると、iPhone 12 ProにMagSafe充電器を使用したところ、充電が著しく遅いと訴えている。
彼が使用しているデバイスはiPhone 12 Proで、Apple純正のMagSafeクリアケースを装着して、電源アダプタにはApple純正の20Wを使用している。この様に、正しい条件下で使用しているにも関わらず、その充電能力は想定していた時間よりも遅いという。
具体的には、MagSafe充電器から充電を行い始めた午後4時の時点でバッテリーは61%だったが、30分後の4時半にバッテリー残量を確認したところ3%しか増えていなかったという。
Ropen氏は、20Wの電源アダプタを使用した場合、30分で90%まで充電が可能なはずだと説明している。
MagSafe充電器を使用すると、iPhoneの充電が思うように進まず、iPhoneが超高温になるという悩みを抱えている人は多いようである。様々な方向から探っていくと、デバイスの不良が疑われるケースがあったり、ユーザー自身が初期不良を疑っていたりするケースもある。
原因自体がどこにあるのか、大事な詳細が欠落している可能性もあるため、現時点ではソースの公開は避けるが、今後、Appleに寄せられたクレームの方向性次第では、もしかするとサポートプログラムが開始される可能性もありそうだ。