アイコス3マルチの加熱ブレードが折れた。それは毎日欠かさず行うクリーニングを行っている最中のことだった。何の抵抗もなくポキッという音とともに無残に破損した加熱ブレード。それを見た瞬間の顔を思い浮かべるのは容易だろう。
アイコスはたばこその物ではなく、機器が人体に影響を与えることはないが、20歳未満の者が使用することを法律で禁じられている製品である。
フィリップモリスのアイコスは、加熱式たばこであるヒートスティックを使用するために開発された加熱器具である。ヒートスティックと呼ばれる短いタバコを射し込み、加熱をして抽出したニコチンを摂取する仕組みの機器である。従来の紙巻きとは異なり、有害な副流煙を排出しないことが受け入れられて、人と人との距離が近い日本で瞬く間に浸透した。
アイコス3は、その名前の通り第3弾のモデルとして登場したアイコスで、従来型のアイコス3と連続吸いができるアイコス3マルチの2種類が同時に発売された。
そんなアイコス3は、当初公式サイトのみの販売であったが、時をずらして全国のコンビニなどでも販売が開始された。多くのカスタマーの目に触れる機会が増えるにつれて、一体どちらのタイプが自分に合う物なのかと妄想を膨らませる方が増えたのも確かだろう。そして想像を膨らませていくうちに、勘の鋭い方は ふと何かの不安感を覚える方もいるのではないだろうか。
アイコスは改良を重ねて よりよい製品へと進化をし続けた一方で、派生として登場したアイコス3マルチは、ユーザーの希望を叶える製品ではあるが 全くの新製品に近い代物だ。原理は同じような物ではあるが、土台となる形状が異なれば それは全く別の物である。大抵の場合、バージョンを重ねるにつれて成熟してゆく製品に問題を抱えている事は少ないが、新しく登場した部類の物には何かしらの欠点が隠れていると考えるのが一般的だろう。
アイコス3マルチ特有の欠陥?
実はアイコス3マルチには使用するにつれて明らかになった欠点がある。それは12月26日の出来事だ。使い始めて44日目の出来事である。毎日のルーティンに取り入れているアイコスの掃除をすべく アイコスのクリーニングツールを取り出して掃除に取りかかったところ、なんと汚れと共に加熱ブレードがポキッと へし折れてクリーニングツール内に収まってしまったのである。
IQOSクリーニングツールは、アイコス内部に溜まる汚れの塊を剥がして掻き出すツールだ。その使い方はとてもシンプルで、キャップを外してアイコスの内部に射し込み回転させて使用する。その使い方の簡単さとは裏腹に、内部の構造は複雑な形状をしており、アイコスの加熱ブレードから汚れを優しく掻き出せるように設計が施されている。
大まかな汚れを掻き出すためにフィリップモリスがアイコスのために専用設計した、アイコス専用のクリーニングツールを使用して加熱ブレードが折れたのでは、使用者としてはもう為す術がない。
幸いにも保証期間内ではあるが、こうした物損は保証の対象なのだろうかと、色々な疑問も湧く中、致し方なく問い合わせをする事になったのでメモとして残しておこうと思う。
アイコスの加熱ブレード破損は保証対象
結論から言うと、加熱ブレードの破損に関しては、保証期間内であれば2回まで無料で代替品を届けてもらえるそうだ。なぜ保証期間にも関わらず交換回数に制限を設けているのかを聞いてはみたが、その辺りは把握していないのか忙しいためか濁されてしまった。2度ある事は3度あると考えるかもしれないが、おそらく2度交換しても同じように破損をしてしまう場合は、アイコスの異常ではなく 使用者の取り扱いに問題があると仮定してのことなのかもしれない。
しかしながらいつも驚かされるのは、IQOSカスタマーセンターの迅速な対応である。できる限り最短で届けられるように配慮をしていただけるところは大変有り難いものだ。ただ、1つ問題点があるとすれば、時間指定の要望までも聞き入れてもらえるのは親切ではあるが、到着する荷物には その指定がなされていないことがある。私を含めて多くの方が経験している事案の為、その点が若干残念だ。
アイコス3マルチは加熱ブレードが折れやすい
応対していただけるついでに聞いた話だが、アイコス3とアイコス3マルチではクレーム内容に差があるそうだ。一体どちらの機械に不具合が発生しやすいのかを質問したところ、正しく統計を取っているわけではないという前置きをいただいた上で、そのオペレーターさんが感じていることは、加熱ブレードの破損クレームをよく受けるのはアイコス3マルチであって、アイコス3では加熱ブレードの破損は現状では受け付けたことがないというものであった。
これもオペレーターさんの推測なのだが、連続使用のできるアイコス3マルチは、加熱ブレードが冷める前に使用することができる為、加熱ブレードの劣化が若干早いのではないかとのことである。
加熱ブレードは実測値で厚みが0.3mmと かなり薄く、白色の硬質プレートで作られていることが覗える。これはおそらくセラミックではないのだろうか。セラミックは熱を通しやすく遠赤外線を放出することから熱伝導率に優れており、加熱式たばこを芯で温めるには丁度いい素材ではある。
アイコスの加熱ブレードを破損させないために
物質は熱を加えると柔らかくなる性質があり、縦方向の圧縮に強い物は横からの圧力に弱い特性がある。この事を踏まえた上で言えることは、クリーニングの際は、熱が十分に冷めていることを確認し、その上で優しいクリーニングを心掛けたい点だろう。
アイコス3マルチは蓋の構造上、アイコス3よりも熱が逃げにくいように感じる。もしかすると蓋の内部に溜まる空気の専有面積が大きく、放熱性には優れていないのではないだろうか。掃除の際には余分に時間をおき、加熱ブレードが冷えていることを確認してからクリーニングすることに呉々も注意を払いたい。
しかし、今回私のアイコスが破損した際は、使用後1時間以上が経過していた上に、機械をあまり信用していない性格から、かなり優しく丁寧なクリーニングを心掛けていた。それにも関わらず破損してしまうともなれば、それは個体差だと諦めるしかない時もあるのかもしれない。
アイコス破損時の問い合わせ先
アイコスが破損した場合の問い合わせは、電話かLINEを通して診断をすることで対応をしてもらうことが一般的だ。その中で一番手っ取り早く確実なのは、やはり電話だろう。
電話での問い合わせには2種類あり、最初から電話を掛けて問い合わせる方法と、アイコス公式サイトより簡単に症状を入力して電話のコールバック対応を待つ方法がある。直接電話を掛ける場合、混雑時にはオペレーターの空きを順番待ちする事も考えられるため、IQOSサイトへ製品登録をしていない場合を除き、心に余裕があるのであればコールバックをお勧めする。
アイコスからのコールバックは、営業時間内の対応となるが営業時間外もコールバックの申し込みは受け付けており、営業時間内であれば着信の時間帯も希望できる。
IQOSカスタマーセンター:0120-190-517
営業時間:9:00から21:00
LINEからの故障診断は、アイコスを友達登録している方で、尚且つアイコスをLINEと接続している必要がある。そこまでクリアしていれば、LINEを開き、IQOSのアイコスサポート項目にある「故障かな?と思ったら」から診断を開始して問い合わせをする事ができるようだ。私の場合は、アイコスをLINEに登録はしていたものの、アイコスを接続していなかった為この問い合わせはできず、電話での処理となった。