Macの薄いキーボードは、配置を整えて正しい姿勢で操作をしないと適切なフィーリングを得ることができない。デスクの高さを適正値に整え、正しいチェアを使用して着座位置を正しい位置にセッティングし、正しくキーボードを打つ。
もちろん それが身体には一番ストレスを与えず、健康を損なわない第一歩なのは分かる。しかし、体型は人それぞれ異なり、それに合わせて高機能デスクや高機能チェアを選び始めると、予算にも限界がでてくるのだ。そこでデスクとチェアをある程度の適正値に合わせることを前提として、それだけでは補いきることのできない部分はキーボードに傾斜をつけて対応するべく、ワイヤレスキーボードとマジックトラックパッド2がピッタリ収まるスタンドを購入した。
今回Amazonで購入したキーボードスタンドは、Spinidoの「BESTAND Appleワイヤレスキーボード & マジックトラックパッド2用スタンド」というもの。Spinidoのスタンドは、Appleのマジックキーボードとマジックトラックパッド2を両方収納できる作りとなっており、完璧な統一感がスマートな一品だ。Macを知らない方には、「これが本来あるべき姿なのか」と思わせるデザインはとても素晴らしい。
「BESTAND」とはオランダ語で、日本語では「ファイル」という意味を指す。マジックキーボードとマジックトラックパッドを一枚のファイルにしてしまうという意味だろう。
デザインを損なわず高まるフィーリング
商品の説明文内には、明確に「傾斜がつく」とは記載されておらず、画像のみの判断で確証のないまま購入に踏み切ったが、「Macのワイヤレスキーボードに もう少し傾斜が欲しい。」そんな思いで購入しても後悔はしない代物で間違いないようだ。
控えめでやり過ぎない作りは、Appleのデザインを損なうことなく、心地よい操作性を与えてくれている。
台座となるスタンド底部の厚みは、キーボードの手前となる部分が5mm、ファンクションキー側となる奥側は10mmの厚みを持たせており、手前から奥にかけて5mmの傾斜が付けられている。「傾斜が5mmではキーボード操作にそれほどの違いは出ないのでは?」とお思いかもしれないが、キーボード自体の厚みが増した上での5mmということもあり、全く別物のキーフィールを得ることができる。
デスクに触れる部分には、柔らかいゴム部品が使用されており、程良いグリップで安定性を与えてくれている。屈曲性が一番似ている物をあげれば、ボールペンのグリップ部分だろう。柔らかすぎず硬すぎずちょうど良い柔軟性だ。
冒頭でも触れたが、Macのキーボードを使用している方の評判で よく耳にする「(Macの) キーボードにストロークが足りずに打ちづらい。」という意見は、正しい姿勢で正しい位置にセッティングをしたキーボードを正しく使用できていないことから起こる不快感が大半を占めているように思う。チェアやデスクのセッティングでも その不快感が収まらない場合は、このキーボードスタンドでキーボードの厚みと傾斜を与えてみてはいかがだろう。もしかすると私のように不快感が幾分解消されるかもしれない。
残念でならないウィークポイント
率直に言えば剛性がない。キーボードとマジックトラックパッドをワンセットにできる事から、太ももへ乗せての操作を期待している方がいるかもしれないが、この商品は安定性に欠ける場所で ひたむきに使用するには満足のゆく剛性感を得られなかった。
購入当初はキーボードとマジックトラックパッドを同時に移動させる際に便利だろうと思っていたが、粗く持ち上げるとキーボードやトラックパッドを固定している爪の部分が外れるなど その都度首をかしげてしまう出来事に悩まされた。
私の使い方
ここから下に書きあらわした使い方は、私の癖が問題で起こる不満点を解消する方法であり、商品自体に問題があるものではない事を予め伝えておきたい。
一体感のあるデザインが素晴らしい商品だが、それ故にキーボードとマジックトラックパッドの間に隙間がない作りが最大の不満点でもある。
私は文章を校正していく際に、キーボードの右下(矢印部分付近) を小指で撫でながらキーポジションを定め、思い立ったときに矢印キーを操作する癖がある。しかし、キーボードにこのカバーを装着しているとそれができないのだ。
普段から昼夜問わずキーボードに触れている私にとって、キーボードを含めたMacという存在は命を繋ぐ生命線となっており、少しの不満が生活に大きな影響を与えてしまう。そこで私のとった方法は、大胆にもマジックトラックパッド部分を切り離す作業。
プラスチックが切れるノコギリ状のカッターと、棒状のヤスリさえ用意をすれば、いとも簡単に切り離すことができる。もし私のような求め方をしているユーザーがいれば、同じようにカッティングしてみてはいかがだろう。ノコギリの使用方法に拙劣な面がある場合は、なにかで練習をした上で本番に臨むように心がけよう。ただし、切断後は返品保証なども利かなくなるため、全て自己責任でお願いしたい。
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