Appleが将来リリースするMacノートには、感覚で通知を知らせる機能を内蔵する可能性がある。
2021年3月9日、Appleは「離散的な感覚領域を備えるラップトップ・コンピューティング・デバイス」に関する特許を取得した。
米国特許商標庁が公開した特許の概要欄には、下記の内容が示されている。
本明細書の実施形態は、デバイス筐体の別々の領域に、個別の触覚出力を提供する電子デバイスについて記述する。これらの領域は、入力を受け入れるとともに、感覚出力を提供する。通常、第1の領域で提供される触覚出力は、隣接する領域に触れるユーザーには感知できない。
触覚出力とは、iPhoneなどではお馴染みの機能で、携帯電話を利用している人には一般的なものである。
出力されるものは音や視覚的なイベントではなく、手に感触を伝える通知などのイベントを知らせる機能である。もっと分かりやすくいうと、iPhoneのバイブレーション機能。
iPhoneの通知は、音のほかに振動を伝えることでユーザーに通知する。その機能がMacに搭載される可能性が見えてきたことになる。
1つ断っておくと、Mac全体がバイブレーションで振動して動き回ることはない。なにかを期待している人の妄想を摘み取ることは大変申し訳なく思うが、着信で飛び跳ねて移動するようなユーモラスなMacをAppleが作るはずがない。
搭載される振動装置は、リニア・リラクタンス・アクチュエーターの採用が見込まれている。簡単にいえば、回転運動を必要としない振動装置で、直線運動を行うことで振動を起こすため、回転運動を行うものに比べて無駄な高さを必要としない。
このアクチュエーターは、Macノートのトラックパッドに採用のものと同様のものが採用されるのかもしれない。振動装置を内蔵する場所は、Macノートに設けられたトラックパッドの左右。図面に示されている部分は、キーボードを打つ際に手を置くパームレストの役割を担う部分である。
完全に固定されたトラックパッドを押し込むと、あたかもその板が押し込まれたような感覚に陥るだろう。設計図を見ると、その振動発生装置を何列か配置し、手が触れている面にのみ振動を起こして通知するようだ。
これまでiPhoneやApple Watchなど、比較的小型のデバイスに採用されていた触覚出力が、Macのような大きなデバイスに搭載されることは異例である。しかし、なぜこれまでに機能として登場しなかったのか不思議である。
Macを持ち出して使用する場所は常に一定とは限らず、騒がしい場所で使用したり、通知音に恐縮するほど静かな空間で使用したりすることもある。新しい特許が実装される確率は絶対ではないが、必要とする人は多いように思う。今後リリースされるMacノートに期待したい。