Appleが開発を急ぐ電気自動車は、もしかすると、とんでもなく繊細に機能するスーパースポーツカーなのかもしれない。
MacRumorsによると、Appleは、新たに1人の人材を雇用し、現在もう1人についてもアプローチをかけているようだ。この2人が在籍した会社は、ドイツのメルセデス・ベンツである。
既に、Appleに移籍した1人の人物は、Anton Uselmann博士。ポルシェでステアリングシステム関係に携わった人物で、のちにメルセデスへ移籍。メルセデスでは、メルセデスの中でもスポーツ走行を意識したAMGシリーズの開発に携わっていたようだ。
メルセデスAMGの開発についてもステアリングシステムに関する内容を熟していたようで、プロジェクトの管理からソフトウェア機能の開発、テストとドライビングダイナミクスの調整など、ハンドリングの最終的な味付けに携わっていたことが判明している。
博士が以前に在籍していたポルシェやメルセデスAMGの操舵システムから薄々感じられることは、Appleの電気自動車が非常に優れた繊細で安定したハンドリングをもたらす可能性があることだ。
ポルシェで代表的なスポーツ車は、車両最後部に重量物となるエンジンを搭載していることで有名である。リアエンジンを採用することによって、直進加速について非常に大きな利点を持つポルシェは、ブレーキングで不利な面と、癖の強いコーナリング特性を持ち合わせていた。しかし、現代の車両はチューニングが施されたステアリングシステムと車両安定性をもたらすシステムや装備で、これまでのポルシェの乗り味をより一層ダイナミックに、より一層安全な物へと進化させている。
また、メルセデスAMGについても非常に優れたハンドリングや、安全装置を兼ね備えており、なかでも安全装置には「ややオフにする」や、「もう少々オフにする」など、非常に繊細なシステム設計とスポーツ走行を兼ね備えた車両を作ることでも有名なブランドである。
Appleに移籍した人物は、今回報じられたAnton Uselmann博士のほかに、電気自動車のスペシャリストとして元BMWの上級幹部や、以前にもポルシェから骨格となるシャシー開発責任者を雇用している。
2021年に入り、Appleは、電気自動車の開発に大きな影響力を与える可能性が高い人物を数多く招集し、最近ではトヨタ自動車へのアプローチや、iPhoneの製造を担うFoxconnが動き出したりと、計画と開発速度を急加速させているようだ。