Appleは、プロジェクターの機能に、投影先の動きを検知するセンサーを内蔵して発売する可能性がある。
2020年12月22日、Appleは「自己混合ベースの2D/3Dユーザー入力検出・スキャニングレーザーシステム」に関する特許を取得した。
米国特許商標庁が公開した特許の概要欄には以下の内容が記載されている。
本明細に開示されている事柄は、電子デバイス、およびその動作のための方法である。電子デバイスとは、別々の入力面と物体の相互作用に基づいて、ユーザーの入力を識別するためのものである。前記述の電子デバイスは、入力面が含まれる視野にレーザービームを放出するレーザーダイオードのような光ビームを用いてスキャンする1つ以上の自己混合干渉センサーを含み得る。出射された光の反射との自己混合は、自己混合干渉計信号を生成することができる。自己混合干渉計信号を分析することで、視野内にあるユーザーの指など、物体を識別することができる。自己混合干渉計センサーで指の変形を検出し、利用者の入力を識別することができる。
特許を解説する図面には、単体で動作するプロジェクターが描かれているものもあり、もしかするとMacやiPhoneに接続する別体式の投影機をリリースするのかもしれない。
SF映画で、ガラス面に映し出された情報を主人公が直接手で操作している映画などを見ることもあるが、正にその未来が現実を帯びていている。
取得した特許では、レーザー光を照射することで、指などの動きを検知する仕組みが用いられている。もし、このレーザー光がFace IDに使用されている垂直共振器面発光レーザーを前提に計画されているのであれば、かなりきめ細やかな動きにも対応する操作が実現できる可能性もある。
今後もたらされる技術の発展次第では、iPhoneやMacなどに内蔵される日も遠くないのかもしれない。
iPhoneに内蔵されるのであれば、机の大きな天板にフルサイズのキーボードを投影して操作をすることができたり、デュアルディスプレイ感覚でタッチスクリーンを仮想的に増やしたりすることも理論上は簡単になる。
Macに内蔵されるのであれば、おそらく壁面への投影で、身近なところではプレゼンテーションに利用が可能だろう。最もAppleが視野に入れている用途は、このMacでの用途が大きいのかもしれない。
特許は、必ずしも利用されるものではない。しかし、分野としてはこれからが伸びる部分であり、期待は膨らむ。