Amazonは、自動車でEchoが使えるEcho Autoを発売した。この商品、仕様をよく見ると音質がただ者ではない可能性がある。
Echoは、Amazonが開発したスマートスピーカーで、内蔵されている同社の音声アシスタントAlexaに話しかけることで、希望に添う操作が実行されるデバイスである。
今回Amazonは、Echoシリーズの刷新を行い、新たなデバイスとして自動車用のEcho Autoをリリースした。
自動車でEchoを使用する主な目的として必要不可欠な音楽の再生にも対応しており、従来のEcho同様にAmazonミュージック、Apple Music、Spotify、AWA、audible、radiko、Tune inの再生が可能なものとなる。
ここで私が注目したい点は、Echo Autoがどういう原理で音楽を再生するのかということである。
大まかな原理を説明すると、Echo Autoは、iPhoneなどのスマホと連携し、スマホから音データを受け取り、車両側へ音源を流すように指示するデバイスである。いわば仲介人の役割に徹するため、Echo Auto単体での利用はできない。また、スマホのデータ通信が発生することは予め注意したい。
スマホとEcho Autoの接続はBluetoothで行われ、車両側へはBluetoothあるいは有線で接続することで、車両のスピーカーから音を流すことが可能となる。
ここで、車に詳しい人はお察しいただけただろう。カー用品店などに行くと、スマホの音楽を自動車で聴くために数多くのトランスミッターが販売されている。このトランスミッターは、スマホと接続して音楽を再生すると、FM電波を利用して音データを送信し、車両側はいうまでもなくFMの周波数で受け取った音データをスピーカーから流すことができる。
FMが聴けないオーディオは数が少なく、接続性を考えるとFMに軍配が上がる。しかし、如何せん音質が悪く、それが一番の欠点である。
それに反して、Echo Autoはどうだろう。Bluetoothを利用した音のデータは、AppleのAirPodsでも採用されている通信技術である。FM電波と音質を比べた時には天と地ほどの差が出てくることが容易に理解できる。
今、Amazonで「トランスミッター 車」を検索なさった人の中には、「Bluetooth接続のものもあるじゃないか」と思った方もいらしたかもしれない。しかし、よく見るとそれはスマホとの接続がBluetoothであり、車両側への送信は一般的にFMが利用されているのである。もちろんBluetoothでスマホと接続し、Bluetoothで車両に送信するトランスミッターもあるかもしれない。しかし、従来一般的なものはFMを利用していることが多い。
Bluetooth接続に対応していない車両には、確実に繋げられる有線ケーブルで接続を行うことが可能である。
有線接続は、Echo Autoから3.5mmのジャックを利用して出力可能のため、車両側の接続方法に合わせて別途ケーブルを用意する必要があるかもしれない。
Amazonでケーブルを検索してみると、3.5mmから3.5mmへ接続するものや、3.5mmから赤と白のモノラルに分岐するものまで、数多くの商品が販売されている。有線接続を検討している人は、車両側の接続端子と相談しながら同時に購入することも検討してみてはいかがだろう。
最後に、音質の欲をいえば切りがないが、Echo Autoの有線接続は3.5mmのためデジタルではなく、通常の有線イヤホンと同じアナログ出力である。Bluetooth接続も、Bluetoothのバージョンによっては送受信できるデータの量に違いが出るため、音質が変わったり、デジタルの有線接続には敵わなかったりする。
しかし、普段使いでは手軽に利用できて、それなりに良い音質で音楽を楽しむことのできる日常が、一番楽で楽しい時間になるように感じる。そう考えると、Echo Autoは、バランスの取れたベストな判断材料になる可能性は高い。
※Echo AutoはBluetooth接続や外部入力で音楽が再生できる多くの車載オーディオに接続できます。ただし、Bluetooth接続の場合、一部の車ではEcho Autoがうまく機能しないことが確認されています。Echo Autoと互換性のない車については、こちらを参照してください。車載オーディオにBluetoothや外部入力で接続できなくても、FMトランスミッターやカセットテープアダプターなどの追加アクセサリーを利用することで接続できる場合があります。
※当サイト(タカブログ) で注釈を付け加えますが、社外品のナビやオーディオの場合は、その製品のマニュアルをご参照ください。