フィリップモリスは2020年8月6日、アイコス専用のヒートスティックとしてマールボロ ブラックメンソールを全国で発売した。
率直な感想を言うと、「なぜ今までこれを出さなかったのか」と問い詰めたい仕上がりのヒートスティックである。
ブラックメンソールは、すでにお馴染みのもので、想像の付く味だと思っている人も少なくはない。しかし、その味は、アイコスで使用すると方向性は同じでも、まったく異なるもののように感じられた。
ほかのヒートスティックで感じられる違和感は、メンソールの物足りなさをフレーバーの味付けで満足させようと努力しているように受け止められる。しかし、このブラックメンソールには、その不純とも思える別のフレーバーを感じることはない。
甘さで演出することもなく、ほかの香り付けをすることもなく、右にも左にも曲がらないド直球のメンソールが、ひんやりと口に広がる正統派。余韻の満足感も別次元のものとなっている。
ただ、誤解のないように申し上げるが、“強烈” というものではない。購入前の段階では、アイコス特有のガツンと感が顔を出すものだと思い、衝撃的なまでの刺激に咳き込むことを覚悟していたが、その思いは思い込みで終わった。
ほかのヒートスティックが清涼飲料水、ジュースとするならば、このブラックメンソールは強炭酸水といった位置づけに値しそうだ。自然の水の香りを ほのかに感じられる赤いラベルでお馴染みの強炭酸水が近い感覚ではないだろうか。
フレーバーを追加することで、味の指向性を強く強調したものは美味しい。しかし、しばらくすると飽きが来て 別のものに手を出したくなる。ブラックメンソールで感じていることは、飽きが来そうにないということで、もし別のものを手にしても、またブラックメンソールへ戻るような素直な味に仕上げられている。