Appleが今秋リリースしたiPad Air 4は、iPadの最上位グレードであるiPad Proと張り合うほど高性能な仕様として登場した。
ここで問題となるのは、iPad Air 4を買うべきか、それともiPad Proを買うべきなのか。この2択は非常に難しい。ランクを落として、ベースとなるiPadも素性が良く、すべてを選択肢に加えると3タイプから最適なものを選ばなくてはならない。
そこで、もし、私がiPadを新しく買い換える予定であるならば、選択肢はどのように決断するのかを紹介しようと思う。ほしい気持ちが先走り、判断を間違えては大変である。是非、冷静になれる部材としてご活用いただければと思う。
なお、様々な人の思考材料になるよう、「iPad」という大きな枠内での話を進めていく予定である。まとまりがないと感じるはずなので、流し読み程度がちょうどいいかもしれない。
決め手の機能
まず、購入するにあたり、決め手となる部分はなになのか。
絞られた高性能を求めずに、単純に最新の高性能がほしいというのであれば、iPad Air 4がお奨めである。しかし、iPad Proの「この機能がほしい!」と思う装備が1つでもあるならば、iPad Proの購入が好ましい。必要とする装備が1つでも欠けていると話にならないからである。ちなみに、ここでいうiPad Proは、現行モデルではなく、次期モデルである。
次期モデルのiPad Proは、いうまでもなくiPad Air 4を上回る高性能デバイスとして登場する。気持ちやスケジュールに余裕があるのであれば、来年の春頃まで待ってみるのも1つの手ではないだろうか。Appleは、iPad Proの次期型を2021年春の発売に向けて準備を進めているようで、その構成はiPad Air 4よりも強力なA14Xチップやmini LEDディスプレイの採用が見込まれている。もうすぐそこである。感染病の関係で、製造に関して若干の遅延が起きる可能性は否めないが、待てるなら待つに越したことはないだろう。
使う人を見極める
iPadの購入は、用途に合わせて購入する方法のほかに、使用するユーザーに併せて選択する方法もある。
iPad Proは、ハイスペックなデバイスとして、何かしらに特化した使用方法を行うユーザー向きである。家族や周囲の人とは使い回さず、1人で使用する目的であれば、iPad Proを1つの候補として選択しに残すべきだ。
スタンダードハイスペックに位置するiPad Airや、必要十分なスタンダードとして位置するiPadは、1人で専有するのもありだが、リビングなどに置いて家族と一緒に利用することにも向く一般向けデバイスである。
一般向けデバイスという表現は分かりづらいかもしれない。エンターテイメント向けのデバイスといった方がシックリくるだろうか。しかし、勉強や仕事での使用も想定できるため、エンターテイメント向けという言い方は、公平性に欠けそうである。
話が逸れたが、家族での使用が前提条件ならば、安くて必要十分な性能を持つiPadを選択肢に入れることも可能である。
ゲームを中心とした用途の場合は、iPad Airの最新チップが後押しをするが、それ以外の用途ではiPadで十分機能する。特筆して凄い装備があるわけでもないが、デメリットになる要素のない十分なデバイスであることも間違いがない事実である。iPadも検討材料に含む場合は、下のリンクも一緒にご覧いただければと思う。
iPad AirとiPad Proを比較
最終的に、iPad AirとiPad Proの2択で迷っているのであれば、現在販売されている2つのデバイスが持つ特徴を理解した方がいいかもしれない。
正確には、iPad Proにあって、iPad Airにはないものを拾い集める感じである。絶対に必要な条件を見つけるには、この方法が一番だ。
比較に関しては、Appleに関して敏感なMacRumorsが、2020年モデルのiPad Air 4と、iPad Proを実際に手に取り、様々な比較を行っていた。以前私も同じようなことを書いていた気もするが、MRさんの非常に素晴らしいまとめを参考にさせていただくことにした。
デザインとサイズ
デザインとサイズに関しては、iPad Proの11インチと、iPad Airの10.9インチは大きさに大差がなく、見た目に関しても酷似している。ただし、iPad Proには、iPad Airには存在しないワンサイズ大きな12.9インチが用意されている。
デバイスは、大きくなればなるほど使用が限られてくる傾向にあり、大きなサイズは写真や絵を扱う人以外は持て余しそうである。
ディスプレイ
表示方法に関しては、iPad Proには非常に滑らかな120HzのProMotionディスプレイが採用されており、映像を作る側にとっては効果的なデバイスである。
120Hzは、対応しているメディアを開いた時に有効なため、普段の使用で120Hzの恩恵を受けることはない。現時点では、制作側が必要とするプロ向けの性能である。
ただし、Apple Pencil 2を利用する場合には、ProMotionテクノロージーを搭載したディスプレイが効果を発揮する。非常に滑らかに追従する書き心地は、iPad Airの通常ディスプレイでは表現できない。
セキュリティ
セキュリティ機能に関しては、iPad ProはTrueDepthカメラを搭載しており、Fece ID(顔認証) を利用することができる。iPad Airは、電源ボタンに内蔵されたTouch IDで指紋認証が行われる。このセキュリティに関しても好みが分かれる点となる。
1つ注意したい点は、iPad Airの指紋認証。外付けのキーボードを多用する人は、煩わしく感じる可能性が高く、要注意ポイントである。
その理由が、ロック解除の2段階操作である。iPad Proの顔認証を利用する場合は、キーボード操作を行うことで自動的に顔認証が開始されるが、iPad Airの指紋認証は、キーボードでディスプレイを点灯させたとしてもロックの解除は行われない。解除を実行するには、わざわざ電源ボタンに触れる必要があり、この2度手間は少々厄介である。些細なことだが、それが毎日の積み重ねとして積もると苛立ちへと変わる可能性があるため、注意を払わなくてはならない。
カメラユニット
カメラに関しては、iPad Airは広角のシングルカメラが内蔵されており、iPad Proに搭載されているLiDARスキャナーはiPad Airには搭載されていない。
空間を3Dに捕らえることのできるLiDARは、通常の使用用途であれば絶対条件になることは少ないが、ARを多用するなどの目的があるのであれば、必須項目になる。
iPad Proのデュアルカメラは、広角レンズと超広角レンズの2レンズ構成。iPad Proを持ち歩き、風景写真などを撮影して、その場で楽しむ目的があれば、iPad Proは非常に優秀である。
スピーカー
スピーカーは、両者ともに4つのスピーカーを搭載しているが、使用されるスピーカーはステレオである。
つまり、縦向き、横向きと、その時々に具合のいい2つのスピーカーが使用されるものとなっている。しかし、音の表現に関しては、iPad Proのスピーカーが優秀である。
しかし、iPadにしてもiPhoneにしても、音を楽しむということにポイントを置くのであれば、イヤホンを利用したり、別のスピーカーへBluetoothで飛ばしたりする使用方法がベストではないだろうか。
AirPodsやAirPods Pro、今後発売が見込まれているAirPods Studioの存在を考えると、音質に関して最良を求めるべきところは、スピーカーではなくイヤホンのように感じる。
データ処理速度
データの処理能力に関しては、新型のiPad Airは、iPad Proに勝る部分がある。しかし、劣る部分もある。詳しくは、下のリンクをご覧いただければと思う。
私が購入するならば
結論として、LiDARスキャナーやProMotionテクノロージーが必要でないのであれば、iPad Airを購入してみてはいかがだろう。手頃な価格帯でハイスペックを堪能できると考えれば、iPad Airで十分である。
iPad Air 4は、最新の高性能を求めるユーザーに向いているモデルである。1人で使用することや、ファミリーで使用することもできる高性能として、エンターテイメントから勉強や仕事にも柔軟に使用できるものである。
iPadを購入する上で1ついえることは、最新のものを購入するに越したことがない点である。比較的長い期間愛用するiPadは、最新のモデルを購入する方が無難なのである。
その理由は、iPadOSのアップデートの関係である。Appleは、リリースから一定期間が過ぎたデバイスのアップデートを終了する。サポートが終了したiPadも引き続き使用することは可能であるが、脆弱性の問題などが出てくる場合や、最新のOSに対応するアプリの登場などが理由で徐々に使用しづらくなる環境になる。
その様な理由から、多少高くとも長い期間愛用できる最新デバイスを購入することは、賢明な判断だと感じる。