5Gネットワークに対応のiPhoneやiPadは、ドコモやau、ソフトバンクといったキャリアの回線を利用して、デバイスの中枢システムであるOSのアップデートが可能である。
2020年にiPhone 12シリーズがリリースされた当初、5G回線接続が可能なiPhoneをアップデートする方法として、従来通りWi-Fi環境下でのアップデートのほかに、キャリア回線を利用したアップデートが可能になった。
今回、2021年モデルのiPad Proがリリースされて、そのアップデートがiPadにも波及したことが判明。新型のiPad Proは、iPhone 12シリーズに引き続き、5Gモデムを搭載したモデルである。
現時点では確証のない部分であるが、今後リリースされるMacBook Proなどにも5Gモデムの搭載が見込まれており、5G回線を利用したアップデートは、今後登場する5Gモデムを搭載のセルラーモデルに随時対応していくのかもしれない。
5G回線を利用してデバイスのOSをアップデートするには、iPhoneやiPadの設定を変更する必要がある。
その設定は、キャリアが提供する通信回線をフルに活用しても構わないという許可。iPhoneやiPadのセルラーモデルは、設定を標準のままで使用すると5G通信には制限が設けられた状態で、Wi-Fi通信を利用したときに通信制限が解放される設定となっている。
この理由は、ユーザーがキャリアと結ぶ契約内容の問題が関わっていそうだ。パケットを1GBまでしか使用したくないという人もいれば、無制限プランを契約している人もいる。様々なユーザーのニーズに応えるため、キャリア回線を利用する場合には、不便を感じない程度に適度な通信を行う設定がなされている。
その設定を変更し、キャリアの通信網をフルに活用しても構わないという設定を行うことで、デバイスはキャリア回線を利用したOSのアップデートにも対応するようになる。
設定は、ホーム画面から「設定」を開き、「モバイル通信 > 通信のオプション > データモード」を開く。
既定値のデータモードは「標準」に設定されている。5G回線を利用してiOSやiPadOSのアップデートを行うには、データモードの設定を「5Gでより多くのデータを許容」に変更する。
“5Gでより多くのデータを許容” では、5Gモバイル通信ネットワークに接続している場合に、より高品質のビデオおよびFaceTimeが利用できる。
つまり、Wi-Fiに接続された環境と同様の通信が、キャリアの回線に接続しているときにも可能になるということだ。身近な部分では、キャリア回線上でFaceTime通話やApple Musicを最高品質で楽しむことが可能となる。
もし、キャリアとの契約を大容量プランに設定している場合、Wi-Fi環境下という制限も撤廃できるため、ほかのアプリケーションも快適性が増す可能性もある。パケットに余力のある人は、一度試してみてはいかがだろう。