Appleは、未来のMacが持つキーボードに、これまでとは異なる構造を与えて革新をもたらそうとしている。
2021年3月30日、Appleは「電子機器の構成可能な力覚入力構造」に関する特許を取得した。
米国特許商標庁が公開した特許の概要欄には、下記の内容が示されている。
電子機器に構成可能で力に敏感な入力構造が開示されている。この入力構造は、金属接触層と金属接触層の下に配置されたセンス層を有し、センス層には容量結合された駆動層を有する。また、入力構造は、センス層と駆動層の間に配置され、センス層と駆動層に結合されたコンプライアント層、駆動層の下に配置されたリジッドベース層、並びに金属接触層とリジッドベース層の間に配置された一組の支持体を有していてもよい。
この特許が示すキーボードは、一般的な物理キーを有さない。フラットな板に表示されたキー配列を操作すると入力が可能で、その板はたわむ。
表面に近い金属接触層が打力でたわむ構造で、しっかりと押し込める特徴を持つ板の特許である。
金属層は、小さな穴が無数に並ぶパンチング処理が施されており、下部から照射する光が穴を通過、キートップを明るく照らす。このパンチングは、おそらく金属に柔軟性やメリハリを持たせるためにも貢献しているはずである。
一瞬、Magic Trackpadはどのような構造だったかと、同種の構造のように捉えがちだが、Magic Trackpadは指の圧力を検知する感圧センサーを内蔵することでクリック操作を判断し、モーターがクリック感を演出している。注釈を入れるとするならば、初代Magic Trackpadは可動部が存在した。表面上ただの板となったモデルは、Magic Trackpad 2。
特許が示す内容は、キーボードのベースとなる構造のため、もしかするとAppleはMagic Trackpadと同様の打撃感を演出、あるいは打撃感の増幅構造を付け加える可能性もある。
以前、Appleは、Macノートの防水構造に関する特許を取得しており、今回のキーボードを採用したモデルは、もしかすると防水機能も手に入れて登場するのかもしれない。
2020年モデルとして登場したMacBook Airには排熱を行う開口部がなく、防水機能を搭載するベースモデルとしてはちょうどいい。
ハイエンドモデルのMacBook Proに搭載するのであれば、キーボード全面をTouch Barのように使用できるディスプレイ構造の特許が生きてきそうである。
Appleが取得する多くの特許は、そのすべてが使用されるというわけではないが、様々な特許から見えてくる未来のデバイスは魅力が一杯である。