Appleは、拡張現実を実現するメガネApple Glassの開発に、欠かすことのできないディスプレイを台湾のTSMCと開発する可能性が濃厚となった。
Nikkei Asiaは、マイクロOLEDディスプレイの開発を進めるべく、Appleが台湾のTSMCと提携と報じた。
マイクロOLEDディスプレイは、非常に薄く小型で、デバイスの小型化や軽量化に貢献できるものである。
従来のディスプレイ構造は、下地となる基板の上にディスプレイを構築していくため、その分の厚みが増している。それに対して、マイクロOLEDディスプレイは、半導体を製造する際のウエハース上に直接構築していくため、余分な厚みが出ず、これまでのディスプレイよりも薄型化や小型化に貢献できる。
ウエハースは、お菓子のウエハースを想像していただければと思う。丸いウエハース。四角い枠模様がいくつも並ぶもので、半導体の製造に見られる光景は、まさにウエハースのお菓子そのものである。1つのチップは、そのウエハースの中にある四角い部分、一つ一つが1チップで、切り離して使用される。
基盤を通さず、ウエハース上に直接構築するマイクロOLEDディスプレイは、消費電力の削減にもつながり、小型のバッテリーを搭載するメガネ型のウェアラブルデバイスには欠かせない主要部品となる。
TSMCが担う新型ディスプレイの開発や試験的生産、そして本生産へ向けての準備には数年かかると予測されており、スムーズに開発が進められたとしてもデバイスがリリースされるまでには、最低2年から3年の歳月を要する可能性がある。
Appleが開発を急ぐ薄型ディスプレイは、Apple Glassの応用として、VRヘッドセットや最近話題のミックスリアリティヘッドセットにも搭載が可能なため、TSMCは生産能力を大規模に拡大する可能性も考えられる。
MRヘッドセットのApple VIEWは、8Kディスプレイと高精度アイトラッキングテクノロジーの搭載が噂されている。