テスラが発売する自動車の次期モデルは、iPhoneのデジタルキーPlusに対応している可能性がある。
The Vergeが発見した情報は、2020年9月9日付けで連邦通信委員会に提出された書類。この書類を確認すると、テスラは自動車にUWBの搭載を目論んでいる。
UWBは、ウルトラワイドバンドの略。広範囲に届く通信は、iPhoneを車両に近づけることなく施錠や解錠、エンジンの始動を行うことが可能というものである。
提出された文章によると、テスラは合計で6つの対象を書類に記載しており、その中にはキーフォブ、セキュリティコントローラー、車両のフレームやキャビンに設置されるエンドポイントが含まれている。
そして、この6つのうち3つの製品に関して、UWBに対応する旨の記載が明確に示されている。
今回発見された書類に記載のUWBは、AppleのデジタルキーPlusやSamsungのそれに互換性を持つ可能性が高い。
現時点では、搭載される車両については不明だが、テスラの動きは早いため、もしかすると直近で発売される車両へ早々に搭載する可能性がある。
テスラを検討中の人は、刷新されたモデルSへの搭載も可能性として見込めるのではないかとお思いかもしれないが、モデルSに設定が用意されたとの情報はない。
UWBへの対応は、車両へアンテナを内蔵する必要があり、既に発売済みの車両へ搭載することは難しい。
その理由が、アンテナの設置場所である。UWBチップのサプライヤーは、UWBを利用したデジタルキーは、そのキーがある位置を三角測量し、キーの位置を把握するという。これは現在の自動車に採用されているものと類似する機能で、車両内にキーのオーナーがいるのか、それとも外にいるのかを判断するものである。
そして、テスラは、このアンテナの内蔵場所に、車両のBピラー(1列目サイドガラスと2列目サイドガラスの間に置かれた柱) を考えているかもしれないと伝えている。Bピラーへの設置は、車両設計段階から煮詰め直す必要性が考えられ、容易に交換ができる部分でもないことから、既存の車両への追加機能としては難しいと感じている。
連邦通信委員会に提出された内容は、そのメーカーが製品の機能として確実に追加することを意味するものではない。しかし、市場に流通する製品が通る道として、最後のウェイクポイントの1つであることには間違いがない。今後の進展に注目したい。