2020年モデルとして、Appleが世に送り出した新生Macは、任天堂Switchのゲームを動かす環境として機能を果たすようだ。
開発者のSera Tonin Brocious氏(Twitter: @daeken) は、Macで任天堂Switch用のエミュレータを動かすことで、SwitchのゲームをMac上で動作させることに成功し、その報告をTwitterで行った。
Brocious氏が使用したエミュレータは、Yuzuである。任天堂のSwitch用エミュレータとして広く知られるYuzuは、3DSの環境をエミュレートするCitraエミュレータを開発した人物と同じ開発者である。
短編動画として、Twitterで公開された内容を確認していくと、Brocious氏は、まずMacでSwitchを動作されるためにYuzuを立ち上げている。Yuzu上にindexが表示されると、その中から起動するゲームとしてスーパーマリオオデッセイを選択した。
その後に表れた画面は、Switchのコントローラーを本体とペアリングする画面である。この画面は、Switch本体をテレビに接続して使用するときなど、Switchを実際に使用してプレイする際にも確認できるものと同じである。
コントローラーのペアリングが完了し、プレイの準備ができた後には、ゲームのスタートページが表示されている。ここでは、Switchのゲーム画面と同様に、そのままスタートするのか、それともアシストモードでスタートを行うのか選択をする画面が表示されている。
順調な滑り出しを見せた動作テストは、ここで問題を抱えることになる。開発者によると、このままスタートを押すとMoltenVKの制限にぶつかり、先に進むことはできないそうだ。
I’m so fucking proud of this. It only gets a few frames into the game before it hits the first MoltenVK limitation, but damn. pic.twitter.com/NcLIBLWOPz
— Sera Tonin Brocious (@daeken)
MoltenVKとは、公式サイトの説明を引用すると、次のようなものである。MoltenVKを使用すると、高性能GPUアクセラレーションのための次世代オープンスタンダードAPI「Vulkan」は、アプリを書き換えることなく、iOSとmacOS上のMetalフレームワークのパフォーマンスと、追加されたデバッグとパフォーマンスチューニング機能を得ることが可能となる。
エミュレータは、ゲームやインタラクティブメディアで使用されるクロスプラットフォーム(3Dグラフィックス) と、コンピューティングAPI(Vulkan API) を使用する。MoltenVKは、VulkanをiOSやmacOS上のAppleグラフィックスフレームワーク(Metal) にマッピングするランタイムライブラリである。
エミュレータを試した開発者のBrocious氏は、2020年モデルのMacと任天堂Switchが、ARMが設計した仕様書を元に製造された処理装置であることに着目し、Yuzuエミュレータでの動作確認を行ったのだろう。
エミュレータを通すことでSwitchのゲームを動作させることが分かったことは大きな成果である。しかし、現時点では、知識を有さない者が容易に使用することはできそうにない。
任天堂としては、約款になにかの記載をしているのかもしれないため、軽い気持ちで周りに「Macで任天堂Switchが遊べる」と、大きく広めることはできないが、機械を楽しみ、学習するという点では、こうした様々な取り組みは、大いに楽しんでいただければと思う。
Is this Super Mario Odyssey running under virtualization on my M1 Macbook Pro? Yes. Yes it is. 😊 pic.twitter.com/AcgiEkVEyU
— Sera Tonin Brocious (@daeken)
via: The 8-Bit