新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染し、COVID-19という病気と診断されるケースが後を絶たない。
そこで、普段から様々な方法で常にクリーンな状況を保とうと努力をしているはずだが、巷では「コロナウイルスはアルコールで死滅する」、「次亜塩素酸を使えば問題ない」という曖昧な情報が流れているのが現状で何を信用していいのか分からない。
お店の入り口にアルコールを設置しているのはいいが、アルコールは何パーセント含まれているのかも明記されておらず、先にボトルに触れた人が感染していたら自分へ感染してしまう可能性があり、使おうにも信用できず不安を抱えていたところ、学校法人 北里研究所が様々な市販品を使用した実験を行い、その結果を公開した。
その結果を見ていえることは、「アルコール消毒は50%以上、次亜塩素酸では効果が不十分。」ということである。
実験は、CPEとPCR検査が行われて総合判定が出されている。あまり詳しい部分ではないので総合判定以外は割愛したいところだが…CPEとは、細胞変性効果(cytopathic effect)のことで、ウイルスに感染した培養細胞にみられる形態変化のことを指す用語である。これは、ウイルスが何か別の形へ変化することを手助けしないかを確認するもの (だと思う)。そして、CPR(polymerase chain reaction)は、特定のDNA断片 (数百から数千塩基対) だけを選択的に増やして調べやすくするために用いられる遺伝子増幅技術で、簡単にいえば、その液体を使用することで、ウイルスは増えるのかという実験である。間違いがあればご指摘いただきたい。
総合判定では、二酸化塩素系と次亜塩素酸水系は、コロナウイルスを不活性化するには役不足という結果が出ている。
そして、やはり手洗いは重要である。実験に使用したハンドソープは、すべての品目がコロナウイルスを完全に消毒することができる結果となっている。
覚えているだろうか。コロナウイルスの買い占めでハンドソープの在庫が枯渇する中、ライオンのキレイキレイ泡ハンドソープのみが店頭に残った不思議な光景。ライオンさんの汚名返上である。あまり詳しくは覚えていないが、とある雑誌の実験で、菌類の繁殖実験が行われ、その中でキレイキレイの泡ハンドソープが悲惨な結果となっていた。買い占めが行われている期間も、キレイキレイの供給のみが凄まじく多かったという考え方もできるが、少なからず私の周りでは雑誌が特集した宣伝効果のお陰で購入をためらった人は数多く、北里研究所が公開した結果は手洗いの重要性とキレイキレイの疑心感を拭い去るものとなった。
北里研究所 新型コロナウイルスに対する消毒薬の効果を検証した結果
北里研究所 新型コロナウイルスに対する消毒薬の効果を検証したまとめ
エタノールは、50%以上の濃度で 30,000 個の新型コロナウイルスをほぼ完全に消毒可能でした。次亜塩素酸ナトリウムは、十分な消毒効果を得るためには 1,500ppm 以上の濃度が必要でした。一般市販医療器具消毒剤は、SARS-CoV-2 の不活性化効果が不十分な製剤が散見され、医療機器の消毒方法の見直しが必要だと思われました。第一報に加え、様々な身近な市販雑貨品について調べたところ、洗剤系の製品は、ほとんどの製品で十分な消毒効果を確認できました。本研究で得られた情報を、日常生活上、SARS-CoV-2 の感染を最小限に抑え、感染制御を確実に実行するために活用していただきたいと思います。