【レビュー】「私がAirPodsを使い分ける理由」AirPodsとAirPodsProを両方使って思ってること


【レビュー】「私がAirPodsを使い分ける理由」AirPodsとAirPodsProを両方使って思ってること

Appleが世界を席巻しているといっても過言ではないワイヤレスイヤホンの世界。私もそれを愛用する一人である。

不思議なことに、AirPodsを使っていると、なぜか決まって聞かれる不躾な質問があるのだ。その質問とは、「(AirPodsとAirPodsPro) 買うならどっちがいい?」という内容である。この大雑把な質問は、「実際に手にしないとわからないことを聞きたい。」という気持ちの表れだと感じている。しかし、毎回同じ回答をリピートするのも そこそこ大変なため、ここにまとめることにした。私が実際にAirPodsとAirPodsProの両方を使用して感じていること、聞かれることのまとめである。

使わないと わからないことを満載しているため、5000文字を超えてしまう長文となっている。どうしても気になる人のみご覧いただければと思う。本当によく聞かれる内容のまとめとなる。購入検討時の材料になれば幸いだ。

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AirPodsとAirPodsProでよくある質問

AirPodsとAirPodsProを使い分ける理由

仕事中も常に身近にあるイヤホンは、AirPodsProではなく、AirPodsである。その理由は、耳への密着が少なく、自然な装着感が持続するため、ストレスを感じることが少ないからである。耳にぶら下がっているような装着感で、体感的には自分だけに聞こえるスピーカーが手元にあるような感じである。

日常の音にAirPodsから聞こえる音がプラスされるのは、生活環境に溶け込んだ音を聞いているようでナチュラルである。

しかし、音楽に集中したいときには、イコライザーを調整したAirPodsProは欠かせない。どうしても消し去ることが難しいノイズの低減にもAirPodsProのノイズキャンセリングは重宝するため、AirPodsでは物足りない環境下では、なくてはならない存在となっている。

AirPodsProのノイズキャンセリングで消せない音

AirPodsProでキャンセルできるノイズを聞かれた際、単刀直入に一番わかりやすい たとえでよく使うものが、窓を開けたときと閉めたときの音の違いである。

深く掘り下げると、AirPodsProは一定の音を消し去ることはできても、消し去れない音も多いのである。例えばエアコン。送り出される風の音は消せたとしても、風を送り出す送風ファンの音をすべて消すことはできない。また、その常に一定の音を出している風も どこかにぶつかって現れる歪な音は消えない。

高速で断続する音も消せないため、自動車のタイヤから出るノイズも半分以上は消すことができない。詳しくいうと、タイヤのゴムが連続している接地面中央付近の音は消すことができるが、溝が彫られている部分のパターンノイズは消しきることができない。タイヤによっては、ノイズを低減する目的で1週のパターン構成に強弱をつけているものもあり、グワングワングワンと聞こえる場合もある。道路の保障状況にも左右されるため、もし自動車のタイヤのイズを軽減する目的であれば、エンジンノイズを足した状態で半分くらいは削減できると考えた方がいいかもしれない。

断続的といえば、扇風機である。省電力を謳うDCモーターを搭載した扇風機で、音が気にならないレベルは10段階中4番目くらいである。通常の扇風機では弱の状態でも気になるものがある。もちろん扇風機の羽根の形状や枚数、それに共振する床などの材質にも左右されるため、一概にモーターが関係しているとはいいがたいが、扇風機の音はそこそこ気になる。

余談だがファンヒーターは価格で音が違う

冬場に気になるファンヒーターの音。これは消せるのかと思い、ノイズキャンセリングを試してみたところ、一番高価なファンヒーターの音は消せても、一番安いファンヒーターの音は消せなかった。これは衝撃だった。

個体差もあるのかもしれないが、私の家にあるコロナの最上位と最下位モデルの差は歴然であり、最上位モデルでは無音に近い状態までノイズをキャンセルできたのは本当に驚いた。

ノイズキャンセリングで感動したことは

外に出たときの音と、タイヤの音である。皆が寝静まった深夜に玄関を開けて外に出ると、シーンとした光景が広がるはずである。しかし、そのシーンとした深夜にも実は沢山の音が紛れ込んでいることに気付かされた。AirPodsProを耳から外すと、それはもはや騒音であり、あまりの音の大きさに一瞬瞳孔が開いたほどである。

面白いと感じたのは、車の通りが少ない一本道を右左折する車のタイヤである。低速で走行中の自動車から発せられるタイヤのノイズは消去されるが、タイヤがよじれる音や小さな砂粒を巻き上げる音は鮮明に聞こえてくる。タイヤはこうしてグリップしているのかと、その聞こえる音に何度も耳を済まして楽しんでいた。

エンジンもベルトなどの補記類のノイズは消され、純粋にエンジンの音が聞こえてくる。パタパタパタと、シリンダー内を行き交うピストンの音なのか、それとも吸排気のバルブ開閉音なのか、機械が好きな人であれば数週間は想像して楽しむことができるはずだ。

通い慣れた場所で、普段聞き分けることのできない音に耳を傾けることができる。これはこれで面白く、感動する場面も多い。

バッテリーの持ちは

AirPodsのバッテリーは非常に長く再生できる。もし、AirPodsをお持ちで、そのバッテリーに不満があるのであれば、AirPodsProのバッテリーには満足できない。特にProでノイズキャンセリング機能を利用している場合、使用する環境がザワついていればいるほどバッテリーの消費は早まる。

音楽などを再生していないときもノイキャンがバッテリーを消費し続けているため、一時停止した音楽を再生しようとすると 数分後にバッテリーが切れてケースに戻すというパターンを何度か経験している。

ノイキャンだと集中できるのか

これは購入する口実だけにした方がいい。確かに、集中力が上がる場面もあったが、それは自分自身が興味を示していることで、興味のないものに集中するために雑音を減らしても集中できなかった。最もこれは人に寄るのかもしれない。

ノイズがキャンセルできても、その環境自体がザワついている場合は集中できなかった。耳への装着感で集中力が欠けてしまう場合もあった。聞こえないことによる集中力の欠落も体験している。

集中力に関しては、私も期待していたことなので残念である。ただ、私自身は性能が悪いため関連性には否定的な結果となったが、高性能な人がノイズキャンセリングを手に入れるとスーパーな人になれる可能性はある。

実際に使用してみると、AirPodsProのノイズキャンセリングを使用して集中力が高まるのは、エアコンや換気扇、電車といった止めるに止められない連続した音を削減しているときくらいである。しかし、自然ではないことを脳は察知しているのか、私は完璧な集中力を得られなかった。

もちろん、密閉タイプのカナル型という利点もあり、キャンセルできない音もある程度は抑制することができるが、静まった環境を手に入れるには、元々静かな環境で使用する必要があるように思う。

窓を閉めて音が小さくなるならば窓を閉めて、人から遠ざかって静かなところへ行けるならば静かなところへ、それでも音が気になるようであれば、最終的にAirPodsProを使用してノイズをキャンセルする使い方が無難だと感じる。余談ではあるが、音楽の再生では集中力は50%低下する。あくまでノイズキャンセリングのみをオンにした状態を想定してお話ししている。

音がいいのは

音に関しては、イコライザー(低音から高音までの周波数特性を変更できる) を使うのか否かで真逆に変わってしまうのが痛い。イヤホンが持つ素質や味付けが異なり、どうにも難しい問題となっている。

イコライザーを使うのであればAirPodsPro、イコライザーを使わないのであればAirPodsとなる。

もし、イコライザーを使うことが前提だとしても、例えばYouTubeなどはどうだろう。イコライザーは利かない。

イヤホンの素性が現れるフラットな音を比較すると、AirPodsの音は活き活きと踊っているように感じる。それに対して、AirPodsProは表現された音のように聞こえてしまう。中音付近に振っているせいなのか、どうも人工的に削られたような違和感を抱く。これはノイズキャンセリングをオフにしても変わることがない。

AirPodsは高音を中心に中音が出ており、低音はほぼ出ていない。しかし、音楽を聴いてもYouTubeの動画を見てもクセがなく聞きやすい音は、万人受けするイヤホンであることに間違いない。Music (Mac)のイコライザーの数値で表すならば、250から2K辺りの中音域を絞った音で、高音域の8Kは辺りはちょうどいいが4K辺りを上げすぎているような音である。

AirPodsProは、非常に残念である。ファームウェアのアップデートが原因しているのだろうか、購入当初は非常に豊かな音が出ておりお奨めだったが、今現状では中音をメインに出そうとしており、高音の解像感がない。キャンセルできるノイズも前より劣っているように感じる。故障なのかもしれないが、そうした症状も見受けられないため、ファームウェアによる音質の低下のように感じている。高音も低音も頭打ちのように聞こえ、「もっと伸びやかな高音が出せるだろ?前はもっと豊かな中音が出ていただろ」と問いかけてしまうほどに私を悩ませている。

もちろんイコライザーを使えば、AirPodsProはAirPodsに出すことのできない優れた音を表現することができるため、すべてにおいて残念というわけではない。むしろポテンシャルが高すぎて、標準の状態では本領が発揮できていないのかもしれない。

表現するならば、イコライザーで中音域の500と2Kを持ち上げすぎてモッサリとした音といったところだろうか。解像感はもう諦めるとしても、イコライザーで高音を持ち上げれば全体的にまとまりがよく伸びやかな音楽を楽しめる。

しかし、やはりYouTubeなどフラットな音のまま再生するものに関しては、残念としか言いようがないものとなっている。

低音は出る?

AirPodsは低音が出ておらず、AirPodsProは圧倒的な低音は出ない。

強いていうならば、AirPodsProは低音を表現しようとしている。低音部分の豊かさを表現する125Hz辺りの音が出ており、ものすごく遠くの方でサブウーファーがつながっているようなイメージとなる。よくAirPodsProは低音が出ると聞くが、その限界値が低いと感じている。イコライザーで125よりも下の低音を持ち上げると、なだらかな曲線を描く低音は表現できるが、リズミカルな低音は音割れを起こし、低音と言うよりもポコポコとした音を奏でる。ジャンル次第で意見が分かれそうな部分である。

AirPodsとAirPodsProを持つと困ること

2つの異なるAirPodsを所有すると、イコライザーを使い分けるユーザーが不満を口にする場合がある。AirPodsを付け替えてもイコライザーの設定自体は固定のため、その都度 設定からイコライザーを変更する必要がある。その他にも使い分けの方向性次第ではイラッとするユーザーが出るかもしれない。

結局AirPodsとAirPodsProどっちを買えばいい?

少しでも先に気になった方を買うのがいいと思う。

ノイズの激しい場所でもAirPodsがいいという場面があれば、ノイズがあまりない場所でもAirPodsProがいいと感じる場面もある。

職場など、周りの会話に配慮をする機会が多い、あるいは今の環境に少なからず満足をしている場合はAirPods。電車など移動で、どうしても消せない音が気になる場合や、音楽に集中したいのであればAirPodsProを購入してはいかがだろうか。

私自身は普段の生活に特筆すべきものを置かず、どちらかといえば穏やかで自然なものを求める傾向強いため、AirPodsをお奨めしたい。しかし、騒音が酷い場所で使用する場合には、AirPodsProのノイズキャンセリングは有効であり、ノイズの低減を行うことで、音楽自体のボリュームを下げられるため、騒音環境で鼓膜の健康を考えるならば、音が小さくできるAirPodsProも買いだと感じている。

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