ヒュンダイは、Appleブランドの電気自動車を手がけるという新たな事業拡大を断念した可能性がある。
韓国に拠点を置くヒュンダイ自動車がAppleとの契約を締結した場合、関連会社の起亜がApple Carの製造を担うと想定されていた。しかし、ヒュンダイは、この度Appleとの交渉を終了したと伝えている。
なお、この件により、Bloombergは、ヒュンダイの株価が8.4%、起亜が14%下落したと伝えている。
Appleは、複数の自動車メーカーと協議を行っているといわれており、ヒュンダイはアップルが向けた矛先の1つだった。
現在、Appleは日本の自動車メーカーと交渉を進めているといわれており、もしかすると日本産のApple製品がお目見えする日も近いのかもしれない。
日本で交渉が進められていると噂の自動車メーカーは、現在6社の名前が挙げられている。
もし、日本で生産を担うメーカーが出てくるとすれば、トヨタは車両の製造ないしは部品の供給に関して、有力候補となり得る可能性が高い。厳密にいうと、部品の供給に関しては、合弁会社が力を発揮する可能性がある。
トヨタは、パナソニックと2020年10月に「プライム プラネット エナジー&ソリューションズ (PPES)」という合弁会社を設立しており、この新会社はハイブリッド車のバッテリーシステムを生産する。
また、この合弁会社は、新たに生産ラインを増設して、車載用リチウムイオン電池を増産すると発表している。
新設する生産ラインは徳島県の工場が候補地と挙げられており、計画では徳島工場の年間生産量は、ハイブリッド車50万台分に相当。
PPESは、合弁会社のため、バッテリーの提供先はトヨタに限らず、ニーズに沿う電池の開発や製造販売を手がけている。
Appleは、高効率化と小型化に貢献する次世代バッテリーの開発を進めているといわれていたが、最良のバッテリーを最短で納入できるサプライヤーを探した場合、トヨタが絡むPPESの存在は大きいように感じる。
トヨタやパナソニックにとっては、これまでの失敗を糧に作り上げた合弁会社であり、これまで貫いてきたメーカーとしての構造に変化をもたらしてApple Carの製造を担当する可能性もある。