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Appleは、コロナウイルスによるパンデミックの影響を受けて、発表イベントをオンラインのストリーミング配信のみに切り替えた。
それまで行われてきた従来型の発表イベントは、実際にアップルパークへ人を招き入れる対面式だった。
感染病の拡大防止策として、2020年に取り入れられたオンライン講演は、YouTubeなどでも気軽に視聴が可能な気楽さを世に知らしめた。そして、その結果Appleが得たものは、多くのユーザーや新しいデバイスを検討中の人々に、新しいデバイスやシステムなど、Appleが近い未来に提供する未来の構図をいち早くお披露目できる環境。
完全なストリーミング配信は、多くの一般ユーザーも目にする機会を与える結果となり、これまで限定的だった対象者が浅い興味の人にも行き渡り、マーケティングの機会を広げる形となっている。
Appleからしてみれば、オンラインのデジタルカンファレンスは、新しいデバイスを宣伝する上でも大切な役割を担う存在として、今後も続けたい意志が少なからずあるはずである。
しかし、Appleは、オンライン特有の悩みを抱えている可能性があり、WWDC 2021の終了と共にアンケートを配布している。
そのアンケートとは、今後対面式のカンファレンスが開催された際に、実際に参加する可能性について尋ねる内容。
積極的に取り入れたオンラインによるストリーミング配信は、顧客に魅力をいち早く届ける役割を担っているが、その存在は実際に手で触れて操作を行うという対面式のメリットを放棄した形となる。
これまで通り、iPhoneやiPad、Macといったデバイスのバージョンアップを積み重ねる上では、オンラインでも魅力は十分に伝えることが可能なはずである。しかし、新しいカテゴリの製品に対しては、アピールが不十分となる可能性がある。
Appleは、仮想現実や拡張現実を可能とする複合現実ヘッドセットの開発を行っており、その開発が終盤を迎えている可能性がある。このまったく新しいカテゴリのウェアラブルデバイスを十分にアピールするには、実際に体験してもらうことが確実な方法だろう。そのため、オンラインによる配信以外に、実物を手に取って実感してもらう場を設けようと考えている可能性がある。
ヘッドセットは、2022年頃に発表を控えているといわれており、すでに開発を終えたデバイスが発表の時を待ち構えている可能性もある。アンケートの結果次第で、従来通りの対面式に戻る可能性もあるが、オンラインによるストリーミング配信が継続される可能性も否めず、今後の方向性やアピールの方法について、Appleは新しいアピール方法を具体的に検討しているのかもしれない。
もし、アンケートの結果がオンラインの継続を告げる形となれば、分散ということも兼ねて、近くのApple Storeに予約制の体感ブースが設けられる可能性もあり、これまでよりも発表イベントが、より身近なものへと進化する可能性もありそうだ。
Via: MacRumors