Appleが将来的に出すiPadやiPhoneといったデバイスは、ユーザーが関心を持つ内容を事細かく判断する可能性がある。
デバイスが判断を行う基準として用いる部分は、ユーザーの瞳。センサーが瞳孔の微妙な違いを検知して、ユーザーの状態、例えば集中、散漫、“心ここにあらず” といった脳の状況を見分ける。
2021年2月4日、Appleは「輝度変化を利用したユーザー特性の特定」に関する特許を取得した。
米国特許商標庁が公開した特許の概要欄には、下記の内容が記載されている。
本明細書に開示されたいくつかの実施形態では、輝度変化イベントでコンテンツの一部、または全部が急速に明るくなったり、暗くなったりする際に、ユーザーの状態(例えば、気配り、注意散漫、マインドワンダリングなど) をユーザーの生理学的応答(例えば、瞳孔)に基づいて識別する。
デバイスがユーザーの状態を把握することにより、ユーザーはよりよいエクスペリエンスの提供を受けることができる可能性がある。
これは、コンテンツを制作する側に改善策を提供する可能性もあれば、現在閲覧あるいは観覧中のものに興味を示していなければ、自動的に次のものを提供するといった試み。
そのほかには、ディスプレイの輝度に関する自動調整に自動微調整を加えて、輝度のフルオートメーション化に貢献する可能性のがある。
この技術は、iPhoneやiPadといったデバイスのほかに、Apple Glassのような拡張現実を実現するウェアラブルデバイスや、バーチャルリアリティを実現するヘッドマウントデバイスにも応用が可能。
とくに実世界に仮想物を表示する拡張現実では、明暗差を少なくすることにより、不快感の軽減に貢献できる可能性が高い。
そして、親御さんであれば気になる問題として、お子さんが見ている画面の輝度。デバイスを子供用として設定することにより、お子さんの目に負荷が少ない状態へ自動的に調整する機能なども期待ができる。
iPhoneのようなデバイスであれば、親御さんが横から見て「眩しい」と思えば手動で調整することが可能だが、ウェアラブルデバイスに関しては、横から覗き込むことも難しく、将来を見据えた特許と考えると非常に興味深い。
取得した特許がデバイスに反映される可能性は100%ではないが、これから需要が増すトラブルを先に克服しようとするAppleの思想は興味深い。今後に期待したい技術である。