Tapbotsは、TwitterクライアントのTweetbot 6をリリースした。
Tweetbotの第6弾となる最新バージョンは、これまで貫いてきた有料版一択の選択とは異なり、無料版の提供を開始。月額制へのアップグレードを用意して、使い心地を試せる魅力が増している。
無料版と有料版の違いは、簡単にいえば閲覧専用と投稿用の違いで、ベースとなる無料版はタイムラインやリストの閲覧が心地よい作りである。
有料版へアップグレードを行うと、無料版の機能に加えて、新規ツイートの作成やリプライ(返信) にも対応できる従来のTwitterクライアントアプリとして機能するようになる。
Tapbotsが有料版として月額制を取り入れた理由は、Twitter社への支払いが目的の一つに入っている可能性がある。
Tweetbotのような社外アプリがTwitterのデータを取り扱ったり、もっと簡単なところでは通知機能を取り入れたりする場合には、Twitterが用意したV2 APIをサポートしなければならない。このAPIを利用するには、開発者がTwitterに対して使用料を払わなければならないといわれている。
短い文章を発信することのできるTwitterは、広告収入で成り立っており、利用者は無料でサービスを受けることができる。しかし、社外のTwitterクライアントを使用してタイムラインを覗き見ると、その広告は表示されない。そこで、Twitterは収益源の代替策として、新しいAPIの活用を取り入れたのかもしれない。
新しいAPIを公開して、外部のTwitterクライアントを蘇らせた理由は、おそらく利用者数の伸び悩みや不満の声である。一時期、Twitterは公式以外のクライアントを排除するかのように、公式と社外の差別化を図ってきたが、様々な要望を公式のクライアントだけで受け止めることは難しいと考えた可能性がある。
Tweetbot 6のサブスクリプションは、月額100円、12ヶ月一括払いであれば45%OFFで650円となる。
なお、有料の契約には、1週間の無料トライアル期間がついており、実際にサブスクリプション料金が発生するのは7日後からとなる。また、この月額、あるいは年間契約は、ファミリーメンバーと共有が可能である。
とりあえず1ヶ月間。実際に私が契約を済ませて、Tweetbotの進化を確かめてみたので、契約を検討中の人は参考にしていただければと思う。
これまでTweetbot 5を使用していた人が、Tweetbot 6でサブスクリプションの契約をする場合に気になる部分といえば、その進化や通知の機能だろう。
そこで、通知に関しても様々な検証を行ったところ、これまでのTweetbotと変わりがなく、リアルタイムの通知には対応していなかった。30秒から数分のラグが発生している印象で、完璧なリアルタイム通知とまでは行かない。これはTwitter社が公式のクライアントを引き立たせるために、あえて差別化のポイントとして遅らせているように感じている。
通知の種類については、返信とDMの通知に対応している。
注意点としては、フォローをしていない相手から届くDMの存在である。未フォローの相手から届くDMは、メッセージリクエストとして受信するが、Tweetbotなどの社外クライアントは、この受信に対応していないため、通知どころかメッセージの存在に気付くことができない。
また、「いいね」やリツイートの通知を必要とする人は、社外のクライアントは対応していないので、公式との併用が不可欠である。
通知音は、これまでにTweetbotを試したことのある人であれば聞き覚えのあるもので、iPhoneの通知音とは異なり、独特のサウンドが鳴り響く。
新たに取り入れられた表示のスキンには、読みやすさを重視したカラーが選ばれており、ゆったりと読む時間を満喫することもできれば、流し読み重視でメリハリのある色使いも選択可能である。なお、前バージョンから引き続き、画面両端を押さえて、指を上下に動かすことで動作するカラーチェンジ操作も対応している。
結論として、月額料金を支払ってまでTwitterを利用するのかといわれれば疑問ではある。しかし、Twitterを有効に活用するためにTweetbotを利用して、私生活に楽しみをプラスしたり、豊かさを増したりできるのであれば、Tweetbotに対してサブスクリプションを惜しむ理由は見つからない。年間契約であれば、45%OFFの650円、月々に換算すると55円である。
閲覧のみであれば無料で試せるので、一度インストールをしてみてはいかがだろう。