自動車のスマートキーを保護するシリコンカバーを試した。その切っ掛けは、使用していくうちに増える小傷の問題だ。今回試したカバーは、ホンダNシリーズ用である。
楽天市場やAmazonなどのECサイトでキーホルダーやキーケースを検索していると、様々な仕様のケースが豊富にラインナップがされている。もしその商品群の中からキーカバーを考えているのであれば、このシリコンケース(シリーズ) をお勧めしたい。
メーカー純正部品は、多岐にわたる使用環境の想定や経年劣化なども考慮しているため、キーひとつにしても耐久性は優れている。しかし、いくら耐久性能に優れていても使用傷に関しては気をつけるほかない。
そこで今回購入した商品は、福岡県に拠点を置く 有限会社くるまドットコムが販売を行う「CARKLEID スマピタくん」という商品だ。シリコンの特性を生かしてスマートキーを衝撃からプロテクトしてくれる魅力的な商品である。
ここでお断りを入れておかなければならない。シリコンカバーを紹介しているが、正式にはシリコーンカバーである。簡略的に説明をすると、シリコンは原材料であり、それからできている物がシリコーンだ。
▼カギにお奨め
Nシリーズはホンダの軽シリーズ
余談だが、冒頭に出た「Nシリーズ」とは、ホンダの軽自動車“Nシリーズ” に属する軽自動車の総称だ。Nシリーズが出た当初、「ニュー・ネクスト・ニッポン・乗り物」のキャッチがコマーシャルに流れていたのを覚えている方も多いのではないだろうか。
Nシリーズに属する車種名の先頭には“N” のイニシャルが与えられており、現時点でNBOX(N-BOX,Nボックス)、NONE(N-ONE,Nワン)、NWGN(N-WGN,Nワゴン)、N/(N-SLASH,Nスラッシュ)、NVAN(N-VAN,Nバン) がラインナップに存在している。今回私が購入したシリコンカバーは、このNシリーズのスマートキーの形に設計された物となる。
各メーカーのスマートキー用に豊富なラインナップ
スマピタくん(シリコンカバー) は、今回購入したNシリーズの他にも、各メーカーや車種別に専用設計された豊富なラインナップを用意しているようだ。日本車であれば、だいたいの種類は取りそろえているのではないだろうか。
抜群の装着感だが「緩い」と評価する方も
手元に届いたキーカバーを実際に装着してみると、スマートキーへのフィッティングの良さに驚かされた。本物のスマートキーから金型を起こして作られているようなフィッティングの良さだ。
商品ページのレビューでは緩いとコメントしている方もおいでたが、おそらくはジーンズのポケットのように少し窮屈な収納部へ仕舞う方なのかもしれない。下でもお話しするが、シリコンの特性上、他の物との摩擦が大きい上に硬い部分が存在しないため、窮屈な場所への出し入れではカバーがめくれ上がって外れることがあるかもしれない。
キーがすっぽりと収まるそのデザインには、シックリとくる適度な厚みが持たされており、手へのグリップを増してくれるのが印象的である。
スマートキーがひとまわり大きくなる
ひとつ問題点を挙げるとすれば、カバーを装着することで、スマートキーがひとまわり大きくなることだろう。
特に、軽自動車用のスマートキーは 他の自動車用スマートキーとは異なり、スリムな形状に作られている。誰がどのようなスタイルで持ち歩いても邪魔にならない。そのデザインは優秀そのものだ。このメリットが、ケースを装着することにより薄れてしまうことは、予め理解しておいた方が良さそうだ。特にスーツのポケットに忍ばせている方は、ご自身の用途に適した物であるかを一度考えた方がいいかもしれない。
商品ページで私が購入した時期に使用されていた商品画像には、カラフルなキーカバーを女性が胸元で持っており、可憐なイメージが蠱惑的(こわくてき・心を惹きつけて惑わすさま) であった。そのイメージを持ちつつ購入に至ったのだが、実際にケースを手にしてみると、色彩の与える印象は想定よりも大きい事に気付かされた。おそらくは、マットな質感と普段見慣れているスマートキーよりも ひとまわり大きくなる厚みのせいだろう。色味やコーディネートによっては 周囲が持ち主に抱く色艶が分かれるように感じられた。ブラックを選択すると、可憐とは程遠く、見た目に重厚感が生まれたのである。もし柔らかなイメージを思い描いて購入するのであれば、ひねりを加えずに明るめのカラーをチョイスした方が無難のような気もする。
シリコンの特性で賛否両論が興る
シリコンを使用したケースは、他の素材を使用した物よりも柔らかく、それがゆえにグリップする。この特性を好んで使用する方がいる反面で、それを理解しないまま購入に踏み切るとデメリットとして捉えてしまうことの多い材質でもある。
シリコン製品を買い慣れている方であれば、なんとなく察しがつくとは思うが、この製品には硬い部分が存在しないのである。柔らかい物のみで成形されたケースに合成を与えるには、材質に厚みを持たせる事しかできない。それがこのキーケースのメリットであり、デメリットと受け止められかねない部分なのだ。
キーホルダーに取り付けて使用する分には、特に問題とはならないかもしれないが、スマートキーを単体でポケットに忍ばせる予定の方は注意が必要だ。柔らかい素材であるがゆえに、ポケットから取り出す際にケースがめくれあがり、キーが剥き出しになる事があるかもしれない。
落下に備えた安心感
実際に使用すると、他のカギと一緒に束ねていると気になる擦り傷の不満も解消されて、出先でカギに気を取られることはなくなった。
シリコンは材質の特性上、メリットが大きい。その反面でデメリットも目立つ材質ではあるが、結局のところは落とした際の衝撃から大切な物を守ってくれる安心感は何事にも代えがたい。
小さなお子さんがいるご家庭や、普段からカギを落としやすい方は、一度試してみてはいかがだろう。
スマピタくんNシリーズ専用スマートキーケースの寸法
先で、シリコンカバーを装着するとスマートキーがひとまわり大きくなるとお話ししたが、実際にはどれくらい大きくなるのかを実測してみた。大抵の商品には個体差があるため正確性は求めずに、参考までにご覧いただければと思う。
なお、重量の写真は大人の事情で公開することができないが、実測値でシリコンカバーは10gである。Nシリーズのスマートキーが27g。実際に装着して計ったところ、合計36gとなった。測定に使用した秤が小数点以下を表示しないため若干の誤差が出ている。ご勘弁願いたい。
横幅
横幅の測定では、スマートキーが24.8mm、シリコンカバーが28.0mmとなった。差し引き3.2mmとなり、片側の厚みは1.6mmとなる計算だ。
長さ
長さの測定では、スマートキーが64.0mm、シリコンカバーが68.0mmとなった。差し引き4.0mmとなる。
奥行き
奥行きの測定では、スマートキーが15.6mm、シリコンカバーが20.0mmとなった。差し引き4.4mmとなる。