2017年モデルのiPhoneが発表された。通常ならば、現行モデルであるiPhone7の次に来る名称は“iPhone7S”。後期型モデルの末尾にSを付ける伝統が、iPhone生誕10周年を迎える2017年は、その名称に一度リセットをかける目的からか “iPhone8” の名称を与えられた。
2017年モデルとして発表されたiPhoneはiPhone8と、それよりも一回り大きいサイズのiPhone8 Plusの他に、10周年記念モデルとして、新しいiPhoneのカタチを提唱した最上位機種に当たる“iPhone X” と呼ばれる端末だ。
iPhone Xは10月27日から予約開始
気になる発売日は、iPhone Xが11月3日で予約は10月27日から。iPhone8は9月22日発売で、予約は9月15日からとなっている。
容量
写真や音楽、電話帳やAppなどを記憶しておくための容量は、全モデルで64GBと256GBの2種類。定期的にMacやPCと同期をしている方であれば、大半は64GBで事足りるとは思うが、写真や動画などのヘビーユーザーや少しでも余裕が欲しい方は256GBの選択となるだろう。
重量と大きさ
普段使いに一番重要とされるのは、そのスマホを持ち続けることができるのかと言うこと。それを踏まえた上で、今までの予想でiPhone XがPlusよりも大きいのではないかと心配していた面があったが、今回の発表で衝撃を受けることとなった。
iPhone XはiPhone8 Plusよりも小ぶりで重量も小さいことが判明したからだ。もちろんベースとなるiPhone8よりは若干大きいが、多くの方に受け入れられやすいサイズ感で大画面を実現した印象だ。
[iPhone8] 148g、[iPhone8 Plus] 202g、[iPhone X] 174g
ボディサイズは本体の重量に比例している。
端末で分かれるロック解除認証(指紋認証または顔認証)
従来の暗証番号入力や指紋認証の他に、iPhoneを制御するiOSに顔認証というシステムが組み込まれることになった。画面側のフロントカメラで所有者の顔を判別してロックを解除するシステムで、従来の暗証番号を入力したり指紋を照合する手間を省くことができるシステムだ。
顔認証が搭載される端末はiPhone Xのみで、iPhone8とiPhone8 Plusは指紋認証が搭載される。
この顔認証は、画面側のフロントカメラに搭載される深度センサーにより、ユーザーの顔の精緻(せいち)な深度マップを作り、ユーザーを一瞬で認識する反面、強固なセキュリティとして信頼性が高いものとなっている。
iPhone Xで始まる強固なパスワードは自分の顔。セキュリティ面でもほぼ完璧なまでに仕上げられた顔認証の気になる構造は、3万以上の目に見えないドットを顔の上に投射し、それを元に赤外線カメラで顔マップを作って保存するそうで、持ち主の写真を近づけたくらいでは誤認証されることはなさそうだ。投光イルミネーターも内蔵しており、暗所で顔を特定しづらい場所でも認証ができるようになっている。
インスタ女子はカメラ性能が格段にいいiPhone Xで決まり
iPhone8は一般的なシングルカメラで、iPhone8 PlusとiPhone Xは2つのレンズを持つデュアルレンズカメラがメインカメラとして内蔵されている。デュアルカメラは、広角用と望遠用(ズーム)カメラとして別の役割を与えられている。
ただし、望遠側のレンズは、iPhone8PlusとiPhone Xでは異なり、iPhone Xの望遠レンズはPlusよりも より明るいレンズが搭載されているのだ。数値で表すとiPhone8 PlusがF2.8に対して、iPhone XはF2.4。数字が小さいほど明るいレンズとなり、暗所撮影でも効果を発揮できるようになる。
今までの問題点として、iPhone7 Plusまでのデュアルレンズは、暗所撮影の際にiPhoneが「暗すぎる(手ぶれを起こす可能性がある)」と判断した場合は、望遠レンズを使用せず、広角レンズで撮影した物を2倍に拡大して望遠としていた(若干違うが解釈としてはそういう感じだ。)ことがあるので、望遠レンズに より明るいレンズを採用したことで、今まで広角レンズでしか撮影できなかった明るさの場所が望遠レンズで撮影できるようになることに期待が集まる。またF値が小さいほど、背景のボケ具合が大きくなり、望遠になれば広角よりも背景がボケやすくなる特性があるので、今まで以上に一眼レフで撮影したような印象の写真が撮影できるようになるだろう。
画面側のフロントカメラに関してもiPhone Xはセンサー部に深度センサーが埋め込まれており、人物撮影(ポートレート)の際に、人物の背景を綺麗にぼかしてくれるそうだ。
無線充電対応
今回発表されたiPhone8, iPhone8 Plus, iPhone Xの3機種から無線充電に対応。従来のLightningケーブルを使用した充電では煩わしく思えた場所では、iPhoneを置くだけで充電できる環境を整えることができるようになった。
背面までをもガラスで構成したiPhoneのデザインの目的は、このワイヤレス充電に対応させるための物だ。このワイヤレスは、一般的に多く知られるQi規格の充電器に対応しているので、ホテルやカフェ、空港などによく置いてある大半のワイヤレス充電に対応しているそうで、Spigenなどからも使い勝手を考慮したデザインのものなどが数多く販売されている。
“iPhone Xへようこそ。ここから未来が始まります。” という謳い文句から見えるiPhoneの未来はとても明るく感じる。