ソニー、動画に特化したフルサイズ α7SIIIを発表「30分以上の動画撮影、4Kスローモーションも可能」


ソニー、動画に特化したフルサイズ α7SIIIを発表「30分以上の動画撮影、4Kスローモーションも可能」

ソニーは、フルサイズミラーレスカメラのα7SIIIを発表した。日本での発売は、2020年10月9日を予定しており、価格帯は40万円以上となる見込み。

α7SIIIは、α7SIIの後継となるモデルで、これはα7シリーズの中でも動画に特化したSシリーズの最新版という位置づけのものとなる。

動画撮影で一番肝心な部分である連続撮影時間は、30分以上の撮影も可能な仕様となっている。撮影時の発熱にも対策がなされているようで、説明では4K画質、60fps(フレーム) の動画を1時間撮影することも可能と伝えられた。ただし、夏場、太陽の当たる場所などでの撮影は耐えきれないと思うので、屋外で長時間撮影をメインとして考えるのであれば注意が必要だ。

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新しく搭載された裏面照射型のCMOSセンサーは、有効画素数1210万画素と、写真の撮影では少々少ない画素数となる。動画は、フルHDで最高240fps(フレーム)、4Kでは最高120fpsの動画を撮影することが可能。8Kの撮影はできないが、スローモーションを4Kで撮影が可能になったのは違いは大きい。

光学式手ぶれ補正の仕様は5.5段であり、揺れの大幅な軽減に効果が期待できそうだ。また、動画使用時には、光学式手ぶれ補正と合わせて 電子手ぶれ補正も使用することができるため、近接撮影などの手ぶれも抑えられる可能性がある。ただし、一つ注意したい点として、電子手ぶれ補正を使用した際には、端の部分が若干クロップ(切り取り) される。4K撮影をフルHDで書き出す使い方の人には重宝されそうだが、そのまま4Kで書き出したい人にとっては少々難点となる要素かもしれない。

記憶はSDメモリカードで、デュアルメモリカードスロットを備えている。SDの規格は、高速なUHS2に対応しているが、より高速なCFexpressカード Type-Aにも対応しているようだ。

ボディの構造は、より頑丈なものへと進化し、湿気への耐性が向上している。人工工学の観点でもアップグレードが施されており、グリップのサイズやRECボタンなどの配置、メニューの表示方法が改善されている。

メニューの表示は、従来までは横並びのものから下へ伸びるメニューが特徴的であったが、S7SIIIからは左端に縦に伸びるメニューから横に展開する形を採用している。慣れるまでには若干時間がかかりそうではあるが、使い勝手はよさそうである。

ISO感度は、標準でISO80から102400、拡張でISO40からISO408600となる。もはや天文学的数字となりつつISO感度に気が行くが、動画の室内撮りで重宝されるLOGについてもISO感度が進化をしている。LOG撮影を使用なさる方は少ないのかもしれないので少し説明をすると、白飛びや黒つぶれといった撮影でありがちなミスが少なくなる撮影手法となる。浅い色で撮影を行い、あとから色を乗せるもので、従来まではカメラで決められた高いISO感度まで上げて撮影する必要があったが、今回のα7SIIIではISO160からの撮影が可能となっている。従来までは黒つぶれを防止する目的から高いISOからのスタートとしていたが、明るい日中などでは白飛びを起こす原因となり、フィルターの装着など、様々な工夫が必要だった。

ソニーによると、新しいCMOSセンサーは、前の世代に比べてノイズと色の再現性が改善されているという。どうしてもキヤノンやパナソニックなどが引き合いに出されて、自然な表現ではないといわれがちであった部分を修正しているようだ。

ノイズに関しては、ビットレートの問題が絡んでいそうだ。ビットレートは、毎秒で扱うデータ量の単位で、ソニーはビットレートが若干低く、それにより高画質な動画を撮影したつもりでも若干画質が悪いように撮れている場合があった。今回のα7SIIIでビットレートによるノイズの乗り方がどうなっているのかは定かではないが、ノイズの改善がなされているのであれば、小さなノイズから大きなブロックノイズまで、ある程度の画質を確保しているのではないだろうか。

肝心のAF性能に関しては、速度の遅いコントラストAFのみが採用されているのではないかと噂がされていたが、像面位相差を組み合わせたファストハイブリッドAFが採用されており、爆速。フルサイズのフラッグシップシリーズだけあって抜かりない仕様のようだ。

地味な変更点ではあるが、従来microHDMIが使用されていた端子は、HDMIへと変更されている。外部モニタを接続するHDMIへは、16bitのRAWデータが出力される。出力される画質は、4K60fpsとのこと。

液晶はバリアングル液晶となり、自撮りも容易なものとなっている。また、バリアングル撮影時には、イヤホンジャックとの干渉もないようだ。

有効画素数:1210万画素 (1290万画素 裏面照射SMOS)

手ぶれ補正:5.5段 (光学式手ぶれ補正)

ファインダー:9,437,184ドットQXGA 1.6cm 有機EL Tru-Finder (0.90倍)

モニター:3型(7.5cm) 144万ドット, 角度調節機能(オープン角:約176°、チルト角:約270°)

ISO:40 – 409600

動画:4K120P (10bitまで)

連写性能:10コマ/秒

AF:像面位相差759点、コントラスト425点

追尾:リアルタイム瞳AF(動画時含) 、タッチトラッキング (改善されている)

撮影可能数:静止画 液晶モニター使用 600枚 (CIPA規格準拠)、連続動画撮影 液晶モニター使用で約135分

バッテリー:NP-FZ100

重さ:699g (バッテリーとメモリカード含)

外形寸法:約128.9 × 96.9 × 80.8mm

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