Designed by Antonio De Rosa
アナリストのMing-Chi Kuo氏によると、Appleは、ヘッドセットの軽量化にフレネルレンズを採用する可能性がある。
開発が進む複合現実ヘッドセットは、軽量化が最終的な課題となっており、重量の大きなものを小さくするという難題に取り組んでいるようだ。
Kuo氏によると、Appleはヘッドセットに内蔵のディスプレイパネルを軽量化するために、小さなディスプレイを搭載することを目論んでいる。
理論上、デバイスに小さなディスプレイを搭載した方が、大きなディスプレイを搭載するよりも軽量に仕上げられる。しかし、それではわざわざヘッドセットを装着する行為が無意味である。
そこで登場するものが集光レンズの存在。小さな画面を大きく見せるためには、光を一点に集光するレンズを逆向きに内蔵する。すると、小さなディスプレイの前に置かれたレンズを通して放たれた映像の光は、それを見るユーザーに大画面のディスプレイ空間を提供できる。
しかし、光を集めるための集光レンズは、極端にいうとスイカを半分にしたような半球体をしており、丸いレンズはどうしてもかさばる存在である。このかさばるレンズは、もちろん重量もかさむため、軽量化には向かない。
そこで、この問題を解決するために、Appleはフレネルレンズという選択肢を持ち出したようだ。
フレネルレンズとは、平面のレンズに円を描くように複数の山を刻んだもの。刻まれた山の形は、池に投げ込まれた石のように幾層にも波紋を形成している。水の波紋と異なる点があるとすれば、丸みを帯びた山ではなく、尖った山が幾層にも並ぶ点と、波紋は外周に近づくにつれて大きくなる点である。
この刻まれた山が集光するために、レンズを平面にしても半球体と同じような集光を可能にする。
搭載が見込まれるフレネルレンズは、3枚のレンズで構成され、素材にはプラスチップが採用される見込みである。なお、素材にはコーティングが施されるが、透過率に関してはガラスと変わらないようだ。