Appleが自動車メーカーと協議を進めているApple Car。この新しい電気自動車の製造ないしは共同開発に関する契約で公になったヒュンダイは、Appleとの協議を終了したと発していた。
しかし、ChosunBizによると、このAppleとヒュンダイの関係は断絶しておらず、Appleの車両に携わる可能性は残されているようだ。
ヒュンダイの子会社である起亜自動車は、昨年に電気自動車を含む8つのセクターで協力する覚書に合意し、既に署名を行っている。
Reutersは、この件を受けて、起亜自動車の株は金曜日の時点で8.1%上昇したと報じた。
株価に関しては、ヒュンダイがAppleとの共同開発について“協議中ではない” と述べたことが発端で、一時値上がり見せていた株価が一気に暴落していた。
ヒュンダイグループとAppleの間で行われた交渉に精通する関係者によると、Appleと起亜は、電気自動車などの8部門で協力することに合意している。
その中には、一般的な4輪の電気自動車とは別に、ラストワンマイルモビリティの分野での協業も議論しているようだ。ラストワンマイルとは残り最後の区間を走行する移動手段で、電車で帰路に就く最後の区間を自転車で走行するのであれば、その自転車がラストワンマイルである。トラックでいえば、個人宅への配達用の小型トラックもラストワンマイルに該当するものである。
Appleは、初の電気自動車に、ステアリングを有さない完全自律型を発表するとの情報があり、この電気自動車はラストワンマイルの商業専用モデルとして発表されることが見込まれていた。
起亜との合意は、この商用車の組み立てや、ヒュンダイの電気自動車プラットフォームを用いて、Appleが設計した胴体部分を組み付ける作業などが、同意の項目に入っている可能性もある。
覚書は、当事者の双方が合意した事項を書面にしたもので、契約を締結するには一歩先の契約書が必要になる。Appleは、覚書自体に有効期限を設けている可能性もあり、協議自体が一時終了している内容に、ヒュンダイグループはどう向き合うのかが、Apple Carの発表に影響しそうだ。