Appleは、電気自動車の製造に向けて、複数の日本企業と交渉を行っている可能性がある。
Nikkeiは、日本を含む複数の自動車メーカーに生産を打診している可能性を伝えた。
サプライヤーから仕入れたとされる情報では、少なくとも6社の間で交渉が進んでいる模様。交渉は、横浜のApple研究施設(Apple YTC) が、日本国内の自動車メーカーや部品メーカーとの連絡窓口として機能している。
Apple Carの製造に関しては、韓国のヒュンダイと交渉が進められているとの情報があり、製造はヒュンダイグループの起亜がアメリカで生産を開始するともいわれている。
Nikkeiが伝えた情報によると、日本企業が製造を担う可能性も出てきたわけだが、日本の企業がApple Carのすべてを担うとは限らない。正確には、製造全般に関する交渉というよりは、アッセンブリー(構成ユニット) のサプライヤーとして交渉が行われているのではないだろうか。
その理由が、Appleが得意とする水平分業のスタイルである。
水平分業とは、開発や生産を分業するもので、Appleは、これを非常に得意としている。例えば、iPhoneの処理装置にしてもそうだ。処理装置は、ARMが設計図を起こし、TSMCが製造を担い、Appleシリコン(処理装置) が完成する。それを製品の一部として組み立てるのはFoxconn。
電気自動車も水平分業の思想が取り入れられる可能性は非常に高いものとなる。
もし、日本企業へユニット単位の交渉が行われているとするならば、トヨタが持つ電気自動車に関する設計や、スバルが持つ自動停止機能付き衝突被害軽減ブレーキのシステム、日産の自動運転技術、無理難題なボディ曲線美(CR-Z) を実現するホンダが矛先を向けられている可能性がある。
元を辿っていけば、それらの技術は日立製作所やデンソーなど、様々なメーカーが混在した形のものになるが、これらがAppleによって寄せ集められてバランスが取られれば、Appleとしては最短ルートで電気自動車の製造に近づけることになる。
Appleは、昨年末にポルシェのシャシー開発責任者をヘッドハントし、電気自動車のプラットフォームには、ヒュンダイが発表したばかりのものを使用すると噂されている。
基礎ができ、シャシーが仕上がり、日本企業への交渉がまとまれば、残りの部品を調達してデバイスが仕上がる日も近そうである。