Appleが今秋iPhone 12シリーズと同時に発表したMagSafe充電器は、iPhone 12シリーズに搭載されたMagSafe充電に対応した超高速ワイヤレス充電器である。
このMagSafe充電器は、従来のiPhoneが採用していたQi規格のワイヤレス充電よりも、はるかにパワフルな15Wという力でiPhoneを充電可能にした。
Qi規格のiPhoneは、最大でも7.5Wの充電能力であることから、その差は実に2倍となる。
しかし、ここで問題が発生している。MacRumorsのテストによると、MagSafe充電器でQi規格のワイヤレス充電に対応したiPhoneを充電したところ、恐ろしく遅いという結果が出ているようだ。
Qi規格のワイヤレス充電に対応しているiPhoneは、iPhone 8からiPhone 11までで、7.5Wの急速充電に対応したモデルである。
その中からiPhone XS Maxを使用してMagSafe充電器の充電能力テストを実施したところ、無残にもQi規格のワイヤレス充電器に劣るという結果が出ている。
具体的なテスト方法は、iPhone XSのバッテリー残量を1%まで減らし、そこから機内モードにして30分間充電を行うというもの。
テストに使用された充電器は、15WのMagSafe充電器と、7.5WのQiワイヤレス充電器の2タイプである。
この2つの充電器をMagSafeに対応していないiPhone XSでテストした結果、7.5WのQi充電器では25%まで充電できたが、MagSafe充電器を使用すると13%までしか充電ができなかったという。
充電アダプタやワイヤレス充電器には、接続したデバイスに過剰電流が流れないように、適切な電力量を供給するシステム設定がなされている。
その設定されたシステムは、デバイスが受け止められる最大入力値ではなく、数個に分かれた段階的なワット数で、その中からデバイスが使用できる数値が選出されている。
おそらく、MagSafe充電器は、この出力値の段階が2段階前後に抑えている可能性がある。もう少し的確にいうと、MagSafeに対応したデバイス用に15Wのリミッターが提供され、それ以外のワイヤレス充電には5Wのリミッターが供給されている可能性を考えている。
近い将来、iPhone 12シリーズ以降に買い換えを検討しているのであれば、MagSafe充電器を先に購入して使用することも検討材料として適切だ。しかし、しばらくはMagSafe非対応のiPhoneを利用したり、家族が充電できるスポットとしてMagSafe充電器を配置したりする予定の場合は、もうしばらく様子を見てもよさそうである。