パソコン展示品のデメリット「初心者だから安価な展示品を…」はちょっと待って!


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パソコンショップや家電量販店に足を運べば、そこに並ぶ展示品限りの割安なプライスカードに目が行ったことがあるだろう。普段から様々なパソコンを購入する私も予算や使用用途によっては希に禁断の展示品に手を出してしまうことはある。一般的なパソコンライフをおくるユーザーであれば、生涯することがないような展示品にまつわる痛い思いを 不幸なのか幸いなのか数多く経験をしてきた。

展示品のパソコンが悪いとはいわない。むしろお買い得な場合もある。しかし、デメリットは少なからず存在し、それを知らずに購入に踏み切る行為は、なんだか不安で煮え切らない購入になってしまうのではないだろうか。予め知っておけば回避のできるデメリットは、予備知識として持ち合わせていても損はしないはずだ。そこで、私の経験から展示品についてのデメリットをお伝えしたい。

パソコンショップや家電量販店では、その商品に触れて納得してから ご購入していただけるように店頭へ展示機を並べている。携帯電話や他の機械製品とは異なり、パソコンにはモックアップ(外側だけ仕上げた模型) は存在せず、一般的なパソコンの実働展示品は、ほぼ100%の割合で実機が使用されている。問題となるのは、パソコンを含めた機械製品は一定の周期で新製品が出る点で、それに伴い旧型となる製品はセール価格で放出し、最後に残るのが お買い得感のある展示品となる。

パソコンの展示品は購入して大丈夫?

よく展示品を購入して大丈夫なのかという質問を受けるのだが、これほどまでにアバウトな質問はない。同じような例えを出すと、見ず知らずの方を連れてこられ「あの方は法律上 結婚をしても構わない人ですが、結婚しても大丈夫だと思いますか?」と聞かれているようなものなのだ。

家電量販店やパソコンショップに並ぶパソコンの展示品は、購入を検討なさるお客さまが手応えや様々な操作を試されており、通常の型落ち在庫品よりも値引いてくれる可能性が高いお買い得な存在だ。しかし、そのお買い得な展示品には何かしらのデメリットはあるのではないか。そう考えるのが一般的だろう。では、購入を控えた方がいいのかといえば、それは使用用途やユーザーに大きく左右される部分だと私は考えている。そこで、長年の経験を生かして、一番大きなメリットとデメリットをお伝えしたいと思う。

メリットに関してはお察しの通り、割安な価格で購入をする事ができる点が第一だろう。その他のメリットとしては、初期不良の問題を克服しており、購入後に使用をしている最中に突然パソコンが止まり驚愕する事は少なからず減るメリットがある。

デメリットに関しては、不安要素が大きいことが挙げられる。大切なデータを保存する可能性の高いパソコンは、稼働時間の問題を考慮する必要が出てくるのだ。いくら新品として展示品を販売していても、それはデモ機として店舗が開店してから閉店するまでの時間、常に電源を入れられていた機械である。トータルの使用時間は少ない物であっても、常時待機状態で電源が投入されて稼働していた時間は、その製品が開封されてから販売されるまで続いているからだ。

そこで問題となるのがデータを記憶する装置の存在だ。記憶装置には物理的に動く昔ながらのハードディスクや最近では電磁的に動くSSDといった部品が使用されており、パソコン自体が壊れても その記憶装置が壊れていなければ大切なデータを救出することが可能になる可能性が極めて高い。しかし、この記憶装置には、パソコンを動かすための主要データが保存されており、常に通電されているため、使用時間に関わらず稼働時間により部品の消耗が出てくるのだ。また、搭載される記憶装置のメーカーやグレードによっては壊れやすい物も存在しており、難しい判断を強いられる部品のひとつでもある。

不安を煽るかもしれない。どのメーカーとは申し上げないが、ある有名な記憶装置のメーカーでは、記憶装置の保証に関して、販売されてからのメーカー保証ではなく、店頭に入荷した時点から保証期間が開始される。記憶装置、特にハードディスクに関しては、気温や湿度に左右されて壊れる可能性もあるため、徹底した保証の管理がされているのだ。そんな精密なパーツを搭載したパソコンの展示品を購入するということは、少なからずリスクを負うことになる。余談だが、私はその有名な記憶装置のメーカー以外に他は信用はしていない。徹底した管理体制で品質のいい物を提供しているためで、決して悪いメーカーではなく、とても良いメーカーのお話ということは付け加えておきたい。

もう少し深入りしたところでは、耳を疑うような話をするが、パソコンにWindowsが搭載されているならば、それを開発販売するマイクロソフトは「展示品は新品として購入しても“中古品” 扱い。」と位置づけており、この扱いを曲げることはできない。これが意味する物とは何なのだろうか。

インターネットを観覧したり、簡単な目的のために使用をするのであれば、展示品は割安でお買い得と言えるが、歳を重ねるにつれて溜まる思い出の写真や動画、音楽データも取り込んで使用したり、仕事に精一杯活用するユーザーは購入を控えた方が無難かもしれない。また、突然のアクシデントに対応を仕切れない可能性が高いため、パソコンに関してあまり知識を有していない方の購入には向いていない。

パソコンの保証は有っても無いような存在

展示品のデメリットと言えば、傷や汚れが気になる方もいるかもしれないが、それよりも保障の問題が上位にくるウイークポイントではないだろうか。

とある家電量販店では、販売から1年間の無料保証が付帯しており、それはメーカー保証という位置づけのようだ。有料で延長保証も付加することができ、延長に関しては店舗の保証制度として3年や5年間など、その製品に必要とされる工夫を凝らした保証を用意している。展示品に買い手が付いた際にも同じく新品としての保証をつけてくれる上、中身(OS) のクリーンインストール(工場出荷時の状態に戻す) を行う。機械的な内部の清掃も徹底しており余念がない。

しかし、保証という定められた曖昧な安心感を鵜呑みにして構わないのだろうか。いくら接客が親切丁寧で、購入を希望する物に保証があったとしても それは開封品に違いはない。展示品であろうと購入日から始まる1年間の無料保証は、パソコンの機械としての保証であり、これから保存されて行くであろうデータに関する内容や、工場出荷時にインストールされている付属ソフトウェアに保証はない。

私が思い浮かべる量販店は悪いお店ではなく 全ての品質に問題はないのだが、店舗の上層に位置する熟知した責任者も知らない落とし穴が存在した。その罠にまんまとはまってしまった経験がある事から展示品のパソコンには呉々も注意を払っていただきたい想いがある。

その落とし穴に関しては、かなり長くなるため別のページで解説している。真下にリンクを置いておくので、よければご覧いただければと思う。私自身が痛い目に遭って気付いた盲点。販売店舗の責任者が知らないのは ある程度仕方のないことなのかもしれないが、マイクロソフトのカスタマーサポートを行う窓口の方も知らなかった真実だ。

【オフィス付属は要注意】展示品のパソコン購入!マイクロソフトに「展示品は“中古品扱い”」と言われた衝撃
家電量販店で新品として購入したWindowsパソコンにトラブルが起きた。それは、パソコンを開封し、初期設定を済ませている最中のことだった。 エクセルやワードといったオフィス製品を使用できるようにプロダクトキーを入力してライセンス認証を行った...
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ゲスト
4 年 前

私もとあるメーカーのノートパソコンの展示品を安さに釣られて買ってしまいました…。私のトラブルはなんとWindows10のOSのライセンス認証のネット認証及び最終手段の電話認証が通らないという事でマイクロソフトに電話した所、展示品=中古品扱いと言われました…。なので返品しました。
売る側もライセンス認証の可否も確認して販売して欲しいです。もう展示品は買わないと思います。

Author
4 年 前
Reply to  ゲスト

熟練の店員さんも知らない方が多いので、もしかすると1年超えて展示をするというケースが希なのかもしれませんね。
店舗で返品できる分にはまだいい(よくない…) のですが、オークションなどで返品不可扱いの展示品を購入する際には、くれぐれも注意したいものです。

ゲスト
4 年 前
Reply to  taka

確かWindowsて30日以内にライセンス認証しないと使用が制限(アップデート不可はもちろんの事、壁紙不可、正規品ではありません!て警告後に勝手にシャットダウンとか)されちゃうんじゃ使い物にならないなぁて結局返品です。
アウトレットやほぼ新品とか悪質だと新品(展示品)とポップに書いてまるでラスイチの様に売るので本当に厄介です。

Author
4 年 前
Reply to  ゲスト

30日以内のライセンス認証は、エクセルやワードといったオフィス製品の試用期間を開始してからですね。
試用期間が開始される条件は、エクセルなどのアイコンをクリックするか、それが表示されていない場合には、オフィスのアイコンをクリックするのみです。

展示用にデモモードでもあればいいのですが。制限なく通常の使用ができる形で実機を置いてあれば、誰かがオフィスを開いて確認する可能性もあるので、店舗側は展示品の販売を行う場合、オフィスくらいは認証が通るのか確認をして販売してもらわないと購入者は頭抱えそうです。

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