平成29年6月22日より、道路運送車両の保安基準の細目が改定され、フロントガラスにドライブレコーダーが取り付け可能となった。
保安基準には、自動車(被牽引自動車を除く。)の前面ガラス及び側面ガラスには、保安基準で定められた以外の物が装着(窓ガラスに一部又は全部が接触又は密着している状態を含む。)され、はり付けられ、塗装され、又は刻印されていてはならない。という項目があり、旧形式の保安基準では、その一部に「道路及び交通状況に係る情報の入手のためのカメラ」の装着が可能となっていた。
その部分が改正され、「ドライブレコーダーの前方カメラ若しくは運転者用カメラ」の装着が可能になった。
つまりどういうことなのか
改正前までは、“道路及び交通状況に係る情報の入手のためのカメラ” という枠組みの中に、ドライブレコーダーが含まれていたのだが、今回の改正でドライブレコーダーが装着可能と改めた。
そのドライブレコーダーは、改正前までは前方を映す物として限定されていたが、6月22日以降は運転者用カメラ、つまりフロントガラスから後方側を映し出すカメラの装着、または前方後方両撮りのカメラの装着が可能となった。
なぜ
運転者の運転時の状況を把握する目的の他に、昨今急成長している運転支援技術の影響が大きいのではないだろうか。
自動で減速し、危険を察知すれば自動でブレーキをかける技術。追突事故は大いに減りつつあるが、それが引き金となり 突然の急停車で後続車が追突をする可能性は少なからずある。また、運転支援技術に頼り、適切な操縦を行えないケースが出てくる危険性も含めて、今後の対策として運転者用カメラの設置を許可する形になったように思う。
取り付け位置
取り付け可能場所に関して、前面窓ガラスに指定貼り付け物を貼る場合の条件で変わりはない。
前面ガラスの上縁であって、車両中心面と平行な面上のガラス開口部の実長の20%以内の範囲又は前面ガラスの下縁であって車両中心面と平行な面上のガラス開口部から 150mm以内の範囲。
大半がフロントガラスの上部に取り付けると思うが、実長20%が分からないという方は、フロントガラスの端(Aピラー付近)を見てみるといい。左右の端に“▲”が印字されているはずだ。
アクションカムはドライブレコーダー?
後方用カメラ(ドライブレコーダー)が取り付けできるようになることから、アクションカムの取り付けを検討し、ドライブ中の映像を残そうと思う方もおいでになるだろう。
そこでドライブレコーダーの定義を調べたところ、Wikipediaでは“日本でドライブレコーダーと言われているものは「イベントデータレコーダー」といい、エアバッグ等が動作するような交通事故において、事故前後の車両情報を記録するために、自動車内に設置される装置。”
weblio辞書では“交通事故の瞬間を映像などで記録する車載型の装置。自動車のフロントガラスに付けた小型カメラで車両前方を撮影し続け、急ブレーキや衝突などの異常動作を検知すると、その前後15〜30秒程度の映像とともに速度やブレーキの状態などを記録する” と書かれていた。
アクションカムは撮影した情報を常に保存していき上書きすることはせず、バッテリー切れ若しくは保存容量が満杯になった時点で録画がされなくなることなどからドライブレコーダーとしての位置づけは困難だろう。
綺麗に撮りたいのは理解できるが、ドライブレコーダーはドライブレコーダーとして、専用品の使用を強くオススメする。
最近はユピテルのように、もしもの事故の際の記録はもちろん、“旅先の思い出として” も楽しめる事を謳うドライブレコーダーがあるぞ。
この内容の原文は、下記PDFファイルの7-52(42ページ目から) と8-52(74ページ目から)に記載されている。PDFは新旧比較となっており、真ん中の線から左側が新しく、右側が旧形式となる。
https://www.naltec.go.jp/topics/fkoifn0000004i2j-att/fkoifn0000004i3n.pdf