Appleは、CEOのティム・クック氏の決断次第で、アメリカの電気自動車メーカーであるテスラを傘下に収めていた可能性があった。
テスラのCEOであるイーロン・マスク氏(Twitter: @elonmusk)は、Appleのティム・クック氏に、テスラを買収する可能性について話し合うために接触したと、Twitterで伝えている。
マスク氏によると、この話はモデル3を設計していた頃で、不遇の時代の出来事。当時、テスラの価値が、現在の価値の10分の1だった頃だという。
このツイートを行う切っ掛けになった発端は、Appleの電気自動車に関する記事をReutersが取り上げたことである。
Reutersは、複数の情報筋から仕入れた内容をレポートに挙げ、現在Appleが次世代型のバッテリーを開発していると伝えた。
Appleが開発に取り組む次世代型バッテリーは、余分な壁などを排除するモノセル設計である。また、内容物には、従来のリチウムではなく、リン酸鉄リチウムを使用したバッテリーの模索を始めているという。
このバッテリーに関して、マスク氏は、冷静な判断で不可能だと否定をしている。
否定の理由は、テスラは既に上海の工場で製造された中距離車にリン酸鉄を使用しており、実際のデータを持ち合わせていることが決め手のようだ。
リン酸鉄を使用したバッテリーは、最大電圧が約100倍と低すぎる上に、モノセル構造は電気化学的にみて不可能だとしている。
それに付け加える形で、構造的なバッテリーパックのように、結合されたセルを意味しているのかと疑問を呈した。
Appleとテスラとの対立、いや、Appleとマスク氏との戦いは現在でも継続している。マスク氏は希に「Appleはテスラ墓地」というように少々口の悪い面が話題になるが、今回取り上げた話題をみる限りでは、同じ方向へ向かう、よきライバルとしての戦いが続いているのかもしれない。
ちなみに、マスク氏のテスラ墓地発言は、テスラで成功しなければAppleに雇用が生まれることが由来している。現に両者は、よい人材をヘッドハンティングしあい、現在に至る。
During the darkest days of the Model 3 program, I reached out to Tim Cook to discuss the possibility of Apple acquiring Tesla (for 1/10 of our current value). He refused to take the meeting.
— Elon Musk (@elonmusk)